『Dark Blue』猟奇排除でエロに振り切ったNTRエロアニメ

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『Dark Blue』シリーズ/PoROre

 「双子合体」という言葉を聞いたことあるだろうか。ディープなエロゲーマーであれば知っていることだろう。

 これはNTRを中心とした作品で高い評価を得たLiLiM DARKNESSの『Blue』シリーズのエロゲー『Dark Blue』のCGから生まれた言葉だ。「検索してはいけない言葉」に含まれることがあるくらい人によっては重度のトラウマと嫌悪感を覚えさせる。それくらいの猟奇的表現がなされたものだ。

 ここでエロゲー『Dark Blue』の公式紹介文を見てみよう。

「今、助けるからな!」

 周囲に張り詰めた静寂を打ち消すように、俺は乱暴にドアノブを回す。……開かない。
 両手でノブを握り、渾身の力を入れて回す。……開かない。
 気が狂ったように何度も回し続ける。……開かない。

(鍵が必要なのか…!?)
 だが、今更探しに行っている時間はない。

 開かない。
 開かない。開かない。開かない。

「イヤァアアアアアアアッ!!」

 扉の向こうから鼓膜を切り裂くような彼女の慟哭が届く。
 凍りつく指先、痺れる体、込みあげてくる嘔吐感。焦る思い、湧き上がってくる激情。
 『絶望』という名の悪夢が俺の体を包み込む。頭の中で人の形をした悪魔が薄笑いを浮かべている。
 どうする事も出来ない。すぐ近くにいるのに。

 囚われた君は、もう戻らない。戻らない。
 俺の叫びは届かない。もう、届かない。永遠に…

 いかがだろうか。かなり陰惨な内容を髣髴させる紹介文だ。『Dark Blue』をジャンル分けするのであれば、洋館での密室殺人だろう。そこに猟奇的な表現が盛り込まれたというわけだ。
 
 それまでのLiLiM DARKNESSの『Blue』シリーズはNTRを売りにしていた。そのために、ある程度のトラウマや嫌悪感、苛立ち、やるせなさ、鬱を覚えさせるものであったが、猟奇的な表現はされていなかった。そのため、『Dark Blue』でいきなり猟奇表現が取り入れられたことで、当時のユーザーの衝撃度は計り知れなかった。すぐに鬱ゲー・猟奇ゲー認定をされ、「双子合体」のシーンは瞬く間に伝説となった。

 一方、「双子合体」という言葉が先走りすぎたことでの弊害も多かった。従来のファンは、『Blue』シリーズに猟奇やエログロは必要ないとの声を上げ、「双子合体」に魅かれた猟奇・エログロファンからは物足りないという声が上がった。結果的に賛否両論が入り混じる作品となり、今作は『Blue』シリーズなかでも特異な作品に位置づけられるに至った。

 発売が2009年で少々古い作品であるが、いまプレイしてみると当時騒がれていたほど猟奇的要素が目立つわけではなく、「双子合体」のシーンが突出していただけに思える。一方、NTRものとしては陰鬱で理不尽な展開と主人公のヘタレ具合が、これぞLiLiM DARKNESSと納得できるクオリティだ。

 さて、そんな『Dark Blue』だが、エロアニメ化もされている。メーカーはPoROreだ。以下が公式の紹介文である。

 「可愛くてジュ~シィ」な幼なじみの美少女が姉御肌のお姉ちゃんが、ハードに寝取られる、PoROブランドのダークサイドっ!

 切なく狂おしく、こらえ切れない興奮と共に見せつけられる最愛の少女たちの辱められ堕ちてイク、エロ可愛な痴態っ!

 止めなくてはイケないのに止められない、見つめ続ける狂喜に、ピュアディープな寝取られに、貴方の股間は扱きヌキッ!

『Dark Blue』猟奇排除でエロに振り切ったNTRエロアニメの画像2
『Dark Blue Vol.1 ~ミつめる恥ぢらい~』より

 エロアニメ版は紹介文だけ見ると、全く鬱ゲーや猟奇ゲーの要素を感じさせない。あまりにもパリピ感満載で、エロゲー原作と比べてテンションに差がありすぎる。

 実際エロアニメ版『Dark Blue』は、エロゲー原作にあった鬱ゲー・猟奇ゲー要素をほぼ排除している。“ほぼ”という表現はストーリーが原作をなぞっているために、死体の登場を避けることができないからだ。しかし全てがほんの一瞬であり、あっさりしている。「双子合体」も残念ながらない。完全にエロに振り切ってた抜き目的の作品といえよう。

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『Dark Blue Vol.2 ~見せつけられる……ヌくもり~』より

 ただし、紹介分ほどパリピでエロ全開かというと、そうでもない。あくまで『Blue』シリーズの重さは漂わせる。『Blue』シリーズはあくまでNTRがメインだ。猟奇要素を排除したことにより、もともと作品が持っていた“個性”が浮き彫りになった形と言えよう。

 最後はそれなりの大どんでん返しが用意されているものの、エロゲー原作を知らないユーザーからすれば、唐突感が否めない。しかし、最初からエロを求めて鑑賞していたとすれば特に気にならないはずだ。
(文=穴リスト猫)

【ダウンロードはこちらから!】
『Dark Blue Vol.1 ~ミつめる恥ぢらい~』
『Dark Blue Vol.2 ~見せつけられる……ヌくもり~』

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