平成の名古屋風俗:旧遊郭で出会ったNo.1裏風俗美女との思い出 ~ニッポンの裏風俗~ 

 

 黒髪のロングヘアーに卵型のきれいな顔立ちは、女優の鳥居かほりに似ていた。明るい笑顔は、暗く冷たい部屋の空気を一瞬にして変える。風呂の湯加減を見て筆者を風呂にうながすと、自分は全裸でモザイクタイルの小さな湯船の淵に腰掛け、寒いだろうに笑顔で世間話をするのだった。

 冷たい布団にもぐりこみ、彼女の小さな胸をさわると手のひらに異物感が。Cカップほどのそれほど大きくないおっぱいだったが、それでも「上げ底」の感触が伝わってくる。ということは、この仕事の他にも何らかの裸の仕事をしているに違いない。

 

 

 新幹線口のナースのように、彼女も駆け込みのバイトなのだろうか? 慣れた接客術やトークから察するに、同じ町のソープにでもいるのかと聞いてみたが、うまくはぐらかされてしまった。しかし、彼女のおかげで熱々のひとときが味わえた初冬の夜となった。

 今まで、名古屋では東京の風俗に次いでいろいろな女のコと出会った。過去イチのくさマンデリ嬢に、箱ヘルなのに生ハメ嬢が3人、めちゃ感じまくりの勝手にイキまくるおブスな本番嬢に、個人営業を誘ってくるイタリア人デリ嬢、ビデオパブ(ビデオを見ながら手コキしてくれる店)でスカートをめくり、ティーバックを横にズラして裏オプさせてくれたロシア美女などなど…。そんな名古屋風俗の中でも、最も美人で印象的だった女のコが、寂しい旧遊郭の裏風俗にいたのだった。

 その後も中村大門には何度か訪れ、2回ほどポン引きおばちゃんやスナックで紹介された女のコと同じホテルで遊んだ。だが「エミちゃん」と再会することはなく、おばちゃんに聞いても「わからない」と言われるだけだった。

 最後に中村を訪れたのは今から4年ほど前。その時にはおばちゃんの姿もなく、近くの居酒屋の大将に聞くと、ここ1、2年は見ていないとのことだった。おばちゃんたちの高齢化によるものなのか、客離れか摘発なのか。いずれにしても寂しい街が、さらに寂しくなってしまった。「エミちゃん」の思い出も、やがて忘れていくのだろう…。

〈写真、文=松本雷太〉

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