【元デリヘル店長の回想録】金持ち客を次々に射止め、わずか半年でグループNo1に上り詰めた天才デリヘル嬢

 十分過ぎるほど可愛いルックスで、会話中もよく笑う人当たりの良い性格。スタイルは特別いいわけではなかったが、男性が好きな“抱き心地が良さそう”な感じではあった。


「うん。Nちゃんなら絶対売れると思うよ。採用で!」

 そう伝えると、Nは嬉しそうに何度も「ありがとうございます」と言った。

 男の心を簡単に射止めてしまいそうなその笑顔を見て、彼女が“化ける”ことを確信。看板嬢になるに違いないと思うのだった。


……

 彼女が頭角を現し始めたのは、お店がオープンしてわずか1カ月後。いつも通りの営業日に来た、何の変哲もない一本の電話だった。


「もしもし! お電話ありがとうございます」

「あー。この間、Nちゃんと遊んだ○○って者だけど、Nちゃんって明日予約とか入ってる?」

「○○様ですね。ありがとうございます。明日はまだ予約はありませんよ。お取りいたしましょうか?」

「うん。何時から出勤で退勤は何時だっけ?」

「夕方5時からの出勤で、受付終了は夜中1時となっております」

「わかった。じゃあ、それで予約しといて。ホテルはまた明日連絡する」

「あっ、えっ!? 何時からのご予約でしょうか?」

「いやだから、夕方の5時から夜中の1時までだって」

「えっ、えぇっ!?」


 自分の店で“貸し切り予約”を受ける日が来るなんて、思ってもいなかった。

 このことをスグにNに伝える。

「Nちゃん! この間遊んだ○○さんってお客さんが、明日貸し切りの予約入れてくれたよ!」

「私もいま連絡来たぁ。ほんとに呼んでくれると思わなかったなぁ…」

「いきなりこんな太客捕まえるなんてすごいね!」

「えへへ~。頑張ってきまーす」


 Nはニッと歯を見せながらガッツポーズで応えた。

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