【ガチンコ素人ハメ撮り地獄変】闇金に売られて出演した女


 さっさと帰ろうとしたところ、くるみの様子が明らかにおかしい。自身で引っ掛けた素人であれば放置するが、AVプロダクション(予定)所属である。下手な真似をされてはかなわんと、落ち着かせることにした。

 こういう手合いは、とりあえず話を聞いて同意してやれば一瞬は落ち着く。ダラダラとキャバ嬢時代の栄光やらホストとのロマンスなどに耳を傾ける。しかし、聞けば聞くほど

 
「そのホストと闇金業者は最初からグルだったのではないか?」

 
 と疑問がよぎる。闇金業者が客として店に行くことは珍しくない。だが、ホストクラブに連れて行き、金を無制限に貸し付け、返済不能になった時点で追い込みを掛けるって、ずいぶん簡単な絵図だ。そんな茶番に騙され、自分を悲劇の主人公であるかのように訴える女を見て同情心を湧かせることは難しい。「バカじゃねーの」と嘲笑したいのはやまやまだったが、闇金業者の商品(予定)なので下手なことを言って気付きを与えると面倒臭い。撮影30分・愚痴2時間30分という“世界で一番無駄な時間”を過ごしホテルを後にした。

 どうにもチンコが萎える話のオンパレードだったが、夢と希望とエロに溢れる簡単なルポを記し、雑誌は世に出た。取材などで会うAV関係者に、この闇金業者が新たに始めるプロダクションの話をしたが、大手はコンプラの問題で論外。地方に点在する怪しげなメーカー数社が関心を示した。

 手ごたえがあった旨を闇金業者に伝えたところ、「女は全部海外に出した」と言い出した。当時、中国で日本のセクシー女優がブレイクしたことで、中国における日本人人気はバブルと化していた。マカオなど有名な場所はもちろん、「そこ、どこ?」とネットで検索してもなお分からない場所まで、需要がある土地に全員売り出したそうだ。

 凋落続く国内の業界より稼げる可能性はあるが、グレーどころの騒ぎじゃなく完璧に人身売買。国内で貧困にあえぎながら売春する方が良いのか、海外に売り飛ばされる方がマシなのか、今でも判断がつかない。
(文=伊藤憲二)

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