風俗業界「プレミアムフライデー」の反応は?


 一方、イベントを開催したのが、台東区にあるデリバリーヘルスだ。この店のスタッフに話を聞いてみた。この店では、24日の15時から19時までにプレイをスタートさせると、ご新規様に限り会員登録で2,000円相当分のポイントを付与。このポイントは、関東一円にある系列店での利用が可能なので、ユーザーとして使い勝手はいい。

 実際に利用したお客さんは、18時台にひとり。少ないとも思うが、「そもそも普段から、昼間の明るい時間帯に風俗店を利用しようとするお客さんが少ないから、想定内です」とのこと。今後については、グループ全体で検討するとしながらも、スタッフの個人的な考えでは、前述のように“明るい時間帯では厳しいかもしれない”と予想していた。これから夏に向けて日が昇っている時間が長くなると、より利用しにくくなるのかもしれない。

 このプレミアムフライデーのメインターゲットはサラリーマンだろうが、聖地・新橋界隈はどうだったのか。この地で派遣型アロマエステ店を経営するオーナーに話を聞くと、“指名料無料”という風俗店の割引としては定番のものを開催したそうだ。このお店のオープン時間は、通常は13時。これを終日設定にしてみたが、16時まで一本も問い合わせがなかったという。

 そこで、様子見で17時ごろ繁華街を歩いてみると、本当に微妙な感じながら「居酒屋さんがいつもより賑わっていた」のだという。これにオーナーは、「18時ごろからお客さんが増えるかもしれない」とピンときた。

 これまでこの店は、金曜日は21時過ぎから賑わっていた。会社が終わって飲み始めるのが19時ごろだとして、一段落する21時辺りから「二次会は風俗でも…」という流れがあるからだ。それが“3時間前倒しになる”とオーナーは踏んだ。

 結果としては、19時に常連さんがいつもより早く予約を入れたり、その人の紹介で会社の同僚が利用したりしたそうだ。ちなみに、この同僚さんはこれまで“21時過ぎからプレイをすると終バスに間に合わない”ので止めていたのだとか。このような人がひとりでもいたならば、「プレミアムフライデーの恩恵」はあったと言えるのかもしれない。さて、定着することになるのか、それとも…。
(文=子門仁)

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