【1万本AVウォッチャー・文月みほが迫るAV裏舞台】

「女性AV監督は差別用語です!」緊縛師兼AV監督・青山夏樹が明かすアンチ・ジェンダーフリーなAV業界

0501aoyama_beyond01.jpg写真は2015年3月29日に開催された青山夏樹主催緊縛イベント【BEYOND】より。(緊縛師・青山夏樹 M女・椛)

 AV女優のアイドル化、AV男優のタレント化が急激に進行し、かつてのグレーなイメージから一転して華やかな業界となりつつあるAV業界。秋葉原のイベント会場では、著名なグラビアアイドルを差し置いて、AV女優目当てのファンが長蛇の列を作ることも珍しくなくなり、その中には一般女性の姿も増えてきました。今や、AVは男たちがコソコソゴニョゴニョと楽しむ秘密の娯楽ではなくなり、男も女の垣根を超えたジェンダーフリーなエンターテインメントとなったのです。

──そう、信じていました。

 アダルト業界を取材して17年。森下くるみちゃんにはじまり、吉沢明歩ちゃん、明日花キララちゃん。そして、最近では紗倉まなちゃんに、AV男優の一徹さん、しみけんさん。AV業界のブームの頂点に立つ演者たちを5~600人程インタビュー取材してきた私は、日々華やぎを増すAV業界を、いつしか我が事のように誇らしく感じていました。

 ところが、緊縛師兼AV監督・青山夏樹さんを取材した際、耳を疑うような言葉を聞き、その認識が一瞬にして揺らいでしまったのです。それは、AV業界に根強く残る男尊女卑の悪習について。「女性AV監督なら、レズを撮れなどと強制されることは日常茶飯事です」と話す彼女の言葉から、「女のくせにAVの何が分かる?」と言われ続けた私自身の苦い経験を思い出してしまったのが、その要因。と言っても、眉間に深いシワが寄ったのもほんの一瞬。「あら…お仲間さん発見!!」とばかりに、意気投合した私達なのでした!

 そんなわけで、前置きは終わり。「それでも、今がとても楽しい!」と笑顔で語る青山さんと、1万本以上のAVを観てもまだまだ見飽きない私、ライター・文月。女が生きにくいAV業界で、堂々と生きのびる女2人の井戸端会議をお楽しみください。 
 

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──夏樹さんがアダルト業界に入ったきっかけって何だったんですか?

青山夏樹(以下、青山):プライベートの延長ですよ。20年ちょっと、SMの女王様としてプレイしていく中で、老舗の女王様メーカーのAV撮影に呼ばれるようになって、そのビデオが売れたんですね。そこで「好きなように作ってみないか?」と声をかけられて自分で脚本を書いてドラマ作品を撮ったのがAV監督の始まりです。縛りの師匠が、AV監督もやっている乱田舞でしたので、以前から撮影でADの仕事をやっていましたし、監督業についても教えてもらっていたんです。

──そもそも、なぜ女王様に?

青山:もちろん、好きだからですよ(笑)。SとかMという言葉は大人になってから知った言葉なので、当時は自分がSだと分かっていませんでしたが、初めてプレイをしたのは小学校3年生の頃ですね。

──小3でプレイ!? プレイって言いましたよね?

青山:あはは…、小さいクリスチャンの学校で1学年1クラスしかない環境でしたが、その中に私の言うことを何でも聞く女の子がいたんです。その子を休み時間に女子トイレに連れていきまして「私も脱ぐから、あなたも脱いで!」とか「私がシテあげるから、あなたも舐めて」とか言って、私がしてみたかったことをやらせるようになっていったんです。

──いわゆる調教ですね!

青山:まぁ、その前からおままごとと称して近所の小さな子に舐めさせたりしてましたけどね。「おっぱいあげるね~」って赤ちゃんごっこのふりをしてね。それでも、嫌がる子ばかりで、しかも下半身はなかなかできなくって。そんな中で見つけた子でしたので、先生の目を盗んでは、休み時間にやっていましたね。その後、中学からは女子校になって、性別を超えて性欲が膨らんでいったんですよね。男の子に悪戯したいとか、女の子に触りたいとかも思わず、しかもSMであることすら分からずに自然にやっていたことが実はSMで、その相手がたまたま女の子だっただけで。 
 
 

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