AKB48の大家志津香「新型うつ病はゆとり」発言で炎上、ツイート削除も騒動は拡大


 「新型うつ病」は前述したように常に症状があるわけではなく、仕事中などストレスのある状況になった時に限って「疲労感」「対人過敏」「パニック発作」などが発生する。また、他人の言動に傷つきやすくなり、自分を守るために他人に責任を転嫁するなど外部に攻撃性が向かう傾向があるとされている。その特性上、どうしても周囲の理解が得にくく、ただの「ワガママ」「ゆとり世代」と揶揄されることも多々あるのが現状だ。まだ世間でクローズアップされて間もない心の病のため、ほとんど医学的知見がなく専門家の間でも定義が曖昧となっており、それも「病気」なのかどうか判断しづらい要因となっている。

 その一方、日本うつ病学会が「会社などで新型うつ病の患者を排他的に扱わないでほしい」と訴えるなど世間の理解を深めるための取り組みも進んでいる。苦しんでいる患者がいることは間違いなく、デリケートな問題であるだけに著名人が「ただのゆとり」と切り捨てれば反発を招くのは当然のなりゆきだ。そんなことは少し考えれば分かりそうなものだが、なぜ大家は不用意な発言をしてしまったのか。

「08年にAKB48の4期生として劇場デビューした大家は、長らく研究生扱いで正規メンバー昇格まで872日の期間を要した。これは当時の最長記録。飛びぬけたスター性はなかったものの、AKB入りしてからダンスや歌、トークや一発芸まで猛勉強し、欠員が出そうな公演の振り付けをあらかじめ練習しておくなど血のにじむような努力で正規メンバーの座をつかんだ苦労人なんです。ここ2年間は『選抜総選挙』で圏外にもかかわらず、どんな仕事でも嫌がらずに一生懸命こなす姿勢やスタッフへの気配りが功を奏してゴールデン番組のレギュラーを獲得。メンバーからの信頼も絶大で『大家のことを嫌いなメンバーは一人もいない』と評されるほど。つらい思いをしながら頑張ってきたため、引用画像で解説されていた『新型うつ病』の症状に文句をつけたくなったんでしょうね」(アイドルライター)

 大家の立場も分からなくはない。だが従来の「うつ病」も数十年前は「甘え」「怠け者」だとして病気として認知されず、患者は世間の厳しい目にさらされながら苦しい思いをしていた。「新型うつ病」も同じく、世間の理解が進んでいない中で患者が苦しんでいる状況であるとも考えられる。いずれにせよ、複雑な問題であるだけに「ゆとり」の一言で片付けるのは配慮が足りなかったといえそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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