娘を自宅に27年間も監禁した事件 その驚くべき理由とは…

0602kankin_fla.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 明治41年(1908)1月13日のこと、愛知県津島町(現・津島市)のとある民家で、やせ細った中年女性が発見された。様子を聞きつけた警官が家人に事情を聞くと、その女性はその家に住む一家の実の娘だという。そしてさらに警官が問いただすと、驚くべき事実が明らかとなった。何と、その娘は20年以上にわたってその家の中に閉じ込められていたというのである。

 ことの発端は、その娘が18歳の時のことである。彼女は街で出会った少年と意気投合し、セックスしてしまう。ところが、これに怒った娘の両親が彼女を家のなかにある3畳の座敷に閉じ込めてしまった。そして、懲らしめるために一切の外出を禁じたのである。

 ここまで紹介すると、かつての日本では男女交際やセックスに対して厳格だったのではないかというイメージがわくかもしれない。だが、数々の資料や証言を調べてみると、そんな事実はほとんど認められない。わが国では性については非常に寛容な感覚が歴史的に続いており、昭和中期まで各地では「夜這い」の慣習が残っていたように、10代の少年少女がセックスを体験することも大幅に許されていたし、時には年長者の指導によって推奨されていた。また、当時の新聞等の記事には10代男女による交際がらみの事件なども多く報じられているが、低年齢者のセックス経験をことさら取り上げて問題視するような論調はほとんどみられない。注目されるとしたら、暴力事件やレイプなどの犯罪性の高い事例だけである。

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