嘉門洋子「屈辱と恨みと諦めと愛情が混じったいい表情でフェラ」など熱演! ネット依存症女性の“リアル”を見事に描いた映画『出逢いが足りない私たち』

kamonyoko0910_01.jpg(C)「出会いが足りない私たち」製作委員会

 ひと昔前に比べ、インターネットを介しての出会いが珍しくない時代になってきた。ミクシィやブログサイト、Twitterやフェイスブックで知り合った者同士が結婚にまで発展する時代である。

 「実生活では異性との出会いが少ないためネットを活用している」「趣味の合う異性と知り合いたくてネットを始めた」など、ポジティブな理由は大いにけっこうだが、一部にはネットでの出会いに依存している現代人も存在する。

 そういった、現代人とインターネットの危うい関係性を描いたのが9月14日(土)~9月20日(金)まで池袋シネマ・ロサにて公開される映画『出逢いが足りない私たち』。主演は嘉門洋子。1996年にグラビアアイドルとしてデビューし、翌年にはフジテレビのビジュアルクイーンに選ばれ大ブレイク。近年は女優として活動している。

 主演が女優ということからもわかるように、ネットでの出会いに何らかの期待を持ってしまうのは、男性だけで  一般的には、インターネットの出会いにがっついているのは男性ばかりというイメージだろう。ヤレそうなオンナを引っかけ、直接デートまで持ち込み、あわよくばオフパコ(ネットを介して知り合った相手とセックスすること)したいと奮闘しているのは、パッと見は男性が多い。 
 

kamonyoko0910_02.jpg(C)「出会いが足りない私たち」製作委員会

 しかし実際には、実生活での寂しさや虚しさを埋めるべく、インターネットに依存する女性も存在するのだ。

 嘉門洋子が演じるのは、実家暮らしの売れないイラストレーター。不倫相手とのセックス直前もケータイを手放せないという、異様なシーンから始まる。オッパイにむしゃぶりつかれながらも、SNSのコメントに返事を打つその姿は、現代人のネット依存を象徴しているかのようだ。

 不倫相手に「『セックスなう』とか書いとけば?」とからかわれつつも、それはできないという主人公。寂しさや虚しさをセックスで埋めつつも、その事実は隠したい…女心というやつだろう。 
 

kamonyoko0910_06.jpg(C)「出会いが足りない私たち」製作委員会

 嫁ぎ先から実家に遊びにきた姉とケンカし、専業主婦を誹謗するカキコミをする主人公。それに対して、批判的なコメントが来ると、今度は別アカウントで同じ内容を書き込む。賛同するコメントに、一時的に安堵感を得る。こういったネット依存を繰り返しながら、いつか誰かが自分を見つけてくれるのではないかという漠然とした期待にすがる主人公を、嘉門洋子が体当たりで演じている。

 本作の主人公は、決して利口な女性ではない。不倫相手がことあるごとに呟く「(このオンナが)バカでよかった」というセリフからもわかるように、とにかくイタいオンナだ。嘉門洋子の、イタいオンナっぷりは実に見事! いやはや、これほどまでに演技派だったとは、嘉門洋子の魅力を再認識させられた。

 不倫相手にナマ挿入を強要され、立ちバックで犯されるシーンは圧巻であった。アラサー独身という微妙な年頃の主人公に対して、「本当は妊娠したいんだろう?」と、心ない言葉を浴びせる不倫相手。最終的には外出しでフィニッシュするのだが、膣内射精されなかったことに対して泣きながら「ありがとう」というオンナには、確かに「バカで良かった」と呟きたくなるだろう。 
 

kamonyoko0910_04.jpg(C)「出会いが足りない私たち」製作委員会

 嘉門洋子は主人公のイラストレーター役のほか、これまたネット依存の女優役も演じている。少し前に、一般人が芸能人の名を騙ってSNSに投稿する「なりすまし」が世間を騒がせたが、「ヒマな三流芸能人が、一般人のふりをしてネット上に出没するケースもあるのではないか」という視点が面白い。

 自分とのオフパコに無我夢中になる、ネット経由で知り合ったオトコに対して「バカで良かった」と呟く姿は、イラストレーター役とリンクする。

 嘉門洋子は、女優役でも体当たりのセックスシーンを演じている。イケメン俳優との密会シーンで見せるフェラチオも特筆すべきポイントだ。「屈辱と恨みと諦めと愛情が混じったいい表情をしている」というセリフどおり、嘉門洋子のフェラチオ演技は絶妙であった。 
 

kamonyoko0910_07.jpg(C)「出会いが足りない私たち」製作委員会

 女優役では、フェラチオ以外にも背面騎乗位やオナニーシーン、3人のオトコを相手にした複数クレイなど、見どころ満載である。

 メガホンをとったのは、『STACY』『レイプゾンビ』など、成人映画やVシネマを中心に活動する友松直之。内田春菊が2001年~2004年に『FEEL YOUNG』(祥伝社)にて連載し人気を博した同名漫画。劇中に登場するイラストも、なんと内田本人が手掛けたものだとか。

 嘉門洋子の魅力を十二分に引き出したエロティックサイコサスペンスである。
(文=菊池美佳子)

men's Pick Up