競泳水着とオーバーニーソックス(以下、ニーソ)…それぞれ熱狂的なファン層を持つフェチアイテムである。その2つを組み合わせた写真集が発売された。『水中ニーソ』(ポット出版)だ。手がけたのは、沢尻エリカ主演『ヘルタースケルター』の水中撮影も行なった映像作家・古賀学氏。古賀氏が描く、「水の中の女の子」の世界観とは果たしてどのようなものなのであろうか?
──女の子(女性ではなく、あえて女の子と表現させていただく)を水の中で撮るようになったきっかけは?
古賀氏「10年くらい前からです。グラビアアイドルのDVD制作で水中撮影を提案しました。女の子が水の中に潜ったり泳いだりするのが綺麗だと感じていたので」
──水中撮影は手間がかかりますよね?
古賀氏「撮影は一眼レフカメラで行なうんですが、防水用ケースに入れて潜るので、操作が限られちゃうんですよ。ですが、そのぶんシンプルな写真が撮れるんです」
グラドルのDVD制作をきっかけでスタートした、女の子の水中撮影プロジェクト。元々は水着ではなく、アートを意識したオシャレな衣装で撮影していた。
古賀氏「競泳用水着は、ウォーミングアップ用だったんですよ。ドレス系の衣装より動きやすいという理由だけで」
──ニーソは?
古賀氏「昨年の1月、ミニスカートの衣装にあわせるアイテムとしてたまたま現場にあったんです。その時に、薄手のニーソが、素足よりもうんと良いってことに気付きまして、オマケ感覚で撮影しました」
この時に撮影したオマケ感覚の水中ニーソ写真をTwitterに投稿。フォロアーからの反響は予想以上のものだった。
一点気になるのは「絶対領域」について。絶対領域とは、スカートとニーソの間から微妙に覘く、太ももが露出した部分のこと。この部分を、「何人にも侵されざる聖なる領域」として愛好する男性は多い。絶対領域フェチと呼ばれる人々だ。競泳用水着とニーソの組み合わせだと、「太ももが微妙に覘く」といったニュアンスにはならないので、絶対領域フェチにとってはヲタク心を満たしてくれるものではないのかもしれない。
古賀氏「この写真集は、絶対領域フェチを対象にしているわけではないのですが、競泳用水着とニーソの間部分にも、何らかの呼び名ができたら面白いかもしれませんね」
──作品の中で、ニーソはどういう意味を持っているのでしょうか?
古賀氏「競泳用水着もダイビング器材も、機能性に特化したものです。それらが、ニーソと組み合わせることで、可愛いものに見えるから不思議だなぁと」
ダイビング器材といえば、女の子たちがレギュレーター(呼吸器具)を咥えている姿には、ついエロティックな妄想を掻き立てられてしまうという筆者の不躾な質問に対しては、
古賀氏「どのような解釈をされてもOKです。エロと解釈する人もいれば、アートと解釈する人もいるでしょう。サブカルチャーと解釈する人もいるかもしれませんね」
──水中モーターの形状も、つい男性器を連想してしまうのですが…
古賀氏「でっかい玩具を抱えているようなイメージで撮ったんですよ。おもちゃっぽさを出すためには、プラスチックの質感が必須でした」
確かに、写真集内で使われている水中モーターは、全てポップなイメージだ。競泳用水着も、質感を重視すべく黒系は避けた。
古賀氏「スクール水着での撮影も考えたんですが、紺色って黒と同様に平面的になっちゃうんですよね。なので、明るい色の競泳用水着にこだわりました」
──スクール水着はフェチ性が強いアイテムですからね。今後、スクール水着版が見たいという要望が来るかもしれませんね。
古賀氏「要望といえば、水の中ではなくプールサイドが良かったという声はありましたよ。水の中の女の子に対してだと妄想を広げにくいのかもしれませんね」
オカズ的な目的で考えると、プールサイドのほうが適しているだろう。水の中=手を出せないというイメージが強くなってしまう。しかし、古賀氏がこだわりたいのは、あくまでも「水の中の女の子」だ。
古賀氏「全ての人にあてはまるわけではないですが、水の中ってアンチエイジング効果がすごいんですよ。浮力で持ち上げ、圧力で引き締まる! だからこそ、女の子が可愛く見えるのでしょうね」
──アンチエイジングの観点からだと、「水中熟女」のような企画も面白いのでは?
古賀氏「(笑)。今後の活動としては、沖縄の海で撮ったり、あとは水中セーラー服を考えています。セーラー服は元々水兵が着ていたものなので、水中撮影との相性も良いはずなんです」
──直近のご活動では、水中ニーソの写真展も開催されるんですよね。
古賀氏「大きいサイズで写真を見てもらいたいと思いまして。映像や音の効果も使って、写真集とは違った見せ方ができればと考えています」
(取材・文=菊池美佳子)