「情熱大陸」出演のノマドの女王に“マルチ商法関与疑惑”

nomadqueen.jpg※イメージ画像:安藤美冬オフィシャルブログ「Moving spree!」より

 決まった職場を持たずに働く「ノマド」というライフスタイルが昨今話題だ。ノマドとは本来「遊牧民」を指す言葉で、ノートパソコンやスマホを駆使してカフェや簡易オフィスを渡り歩き、好きな時に好きな場所で仕事をする。要は単なるフリーランスではないかとも思えるが、場所や時間に縛られない理想的なワークスタイルとして現代の流行語となっている。

 ノマドワーカーの代表格である安藤美冬さんは、集英社勤務を経て2011年に独立し、ソーシャルメディアを駆使した独自のワークスタイルを確立。彼女の独特なスタイルはNHKや全国新聞をはじめ、TBSの『情熱大陸』でも特集され、「何屋って決めたくないんですよね。職業は安藤美冬」などといった意識の高い発言が話題になった。

 新たな時代の寵児といえそうな安藤さんだが、そんな彼女に「マルチ商法関与疑惑」が持ち上がり、ネット上で大きな騒動になっている。

 人気ブロガーの切込隊長こと山本一郎氏が、自身のサイトで疑惑を指摘したもので、それによるとマルチ大手のアムウェイ会員の掲示板に、ある人物の「フロント」に安藤さんと思われる人物を入れたと記述されていたようだ。実際には以下のような書き込みになっている。

「既にフロントに『マカオでダイヤ』を目指しているミッフィーこと美冬を入れ、素晴らしいスタートを切っています。ミッフィーですが、経済紙をいつも賑わし、ホリエモンとも対談をしている『勝間和代』さんと食事をするような元集英社の執筆家です。年明けには『スラムダンク勝利学』の著者、辻(秀一)さんと合同でセミナーを開く様なテンションの高い女の子です」

 「フロント」とは、アムウェイ用語で子会員のこと。「マカオでダイヤ」とは、アムウェイの上位会員「ダイヤモンドディストリビューター」のことではないかといわれ、上位会員はマカオで開かれるパーティーに招待されるため、このような言い方をしたのではないかと見られている。

 また、「ミッフィー」本人も以下のように書き込んでいる。

「昨年9月末まで出版社で勤務していまして、今年から作家、そしてプロデューサーとして会社経営を始めるべく退社して間もなく、アムウェイのビジネスにも参画させていただきとてもわくわくしています。今年の夏から秋にかけて処女作を発売すべく、ディスカヴァー・トゥエンティワンという出版社と企画を練っている最中です。内容は女性向けの実用書を予定しています」

 元集英社で経済紙をにぎわしている執筆業など、安藤さんのプロフィールと一致する点が多数ある。辻氏と安藤さんが合同セミナーを開いたという事実は確認できないが、彼女が辻氏のファンということで個人的にも親交が深いのは事実である。

 ただし、安藤さんがミッフィーだとすると、処女作の出版時期などに矛盾点も生じるため、現段階では彼女だと断言することはできないだろう。この件について安藤さんは口を閉ざしており、それも騒動が拡大する原因となっている。

 ノマドという言葉を提唱したフランスの経済学者ジャック・アタリは、著書の中でノマドには三つの種類があると述べている。ごく一部の成功者である「超ノマド」、定住民でありながらノマドに憧れる大多数の中流層「ヴァーチャルノマド」、生き延びるために移動を強いられる貧困層の「下層ノマド」だ。一部の上位層が大多数の下位層から搾取するという構図は、マルチ商法と非常に似通っているともいえる。ソーシャルメディアを駆使した「横のつながり」で仕事を得るというノマドのスタイルが、マルチ商法と親和性が高いという指摘もある。

 今回のネット上での騒動は、ノマドという実態の見えない得体のしれないものに対する不信感が、マルチ商法疑惑によって一気に噴出したともいえるだろう。この疑惑が晴らされる時は来るのか、ノマドの女王の動向が注目される。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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