他人事ではない!? オナニー大惨事!!

 「本」といえば、昔は小説・エッセイが主流であったが、時代の流れと共にサブカル本や自己啓発本、ハウツー本といったジャンルも増えてきた。ハウツー本といえば、ここ最近、爆発的に増えているのが、「性」に関するハウツー本である。医師や有識者が、セックスやオナニーやアダルトグッズなどについて、それぞれの見解を綴っているわけだが、そのほとんどが、「セックスに決まった形は無く、様々なプレイにチャレンジしようと、工夫するのは良いことなので、セックスに正しいとか間違っているとかいう概念はない」というニュアンスで書かれている。果たして、本当にそうなのだろうか? 「明らかに間違っている性行為」も存在するのではないだろうか? セックスに関しては、仮に間違ったプレイを行なおうとしても、相手が間違いに気付けば、過ちが起きることは少ないだろう。しかし、オナニーの場合は、なにぶん単独行動なので、間違いを起こしやすいという危険性もある。

 まずは、衛生面での間違い。女性に多いのが、「汚れた手で指マンを行ない、膀胱炎を発症してしまった」という失敗談。そう、病気は性感染症だけではないのだ。「セックスによって感染する性感染症と違って、オナニーなら病気になることはない」と、たかをくくっていては大変な目に遭ってしまう。なお、膀胱炎は、男性よりも女性のほうがかかりやすいという。男性の尿道が14~20センチあるのに対して、女性の尿道は3~5センチ程度の長さしかない。そのため、雑菌が逆行して、膀胱に行きやすいというわけだ。雑菌は、大腸菌がほとんどだという。女性は、男性に比べて、尿道と肛門の位置が近いということは一目瞭然。このように、ただでさえも大腸菌が侵入しやすい構造だというのに、「アナルオナニー直後、膣への指マンを行ない、膀胱炎になった」という女性も存在する。アナルも性感帯だという人は、一度のオナニーで膣もアナルも両方楽しみたいことと思うが、アナルに挿入した指を、そのまま膣に挿れるのは絶対に避けていただきたい。

 オナニーの過ちは、女性だけでなく、男性にもあるようだ。マゾヒストタイプだという男性が挙げた失敗談に、「輪ゴムオナニー」がある。陰嚢及びペニスを輪ゴムで縛るという、ごく単純なオナニー法。まずは睾丸を縛り、次にフニャチンの状態からワゴムを装着する。当然、最初は全く締めつけ感はない。しかし、猛烈な手コキを加えることによって、徐々にペニスが勃起し、圧迫感を感じるようになる。ほど良い圧迫感ならあっても良いと思うが、やりすぎは禁物である。強い刺激を求めすぎたためか、気付いた時には、ペニスが変色するほどパンパンに腫れあがり、慌てて輪ゴムをはずそうとしても、なかなか外れず、悪戦苦闘したとのこと。ローション等を手元に準備しておくと、いざという時も外しやすいだろう。

 男女共通して陥りやすい、「間違ったオナニー」も存在する。「場所を間違えた」というパターンだ。自室に鍵をかけて行えば安全に楽しめるものの、スリルを求めて自室を飛び出してしまったがために起きてしまった悲劇をご紹介しよう。

 まずは、定番だが、職場でのオナニー。トイレにおいて、「誰もいないし、誰か来たところで、中断すればいい」とオナニーを始めたところ、夢中になりすぎて、同僚が入ってきたことに気付かず、喘ぎ声を聞かれてしまったというケース。トイレの個室は、確かに見られる心配はないが、聞かれてしまうということは充分ありえる。いや、聞かれただけならまだマシなほう。解放感を求めて、屋外オナニーを試みたところ、第三者に目撃されてしまったという人もいた。自宅の庭とはいえ、深夜3時過ぎだったから、絶対に見られまいと思っていたところ、たまたま帰宅時間が遅くなった隣人に見られてしまい、たいそう気まずい思いをした人もいる。自宅の庭とはいえ、公然わいせつで訴えられることもあるだろうから、どうしても屋外でオナニーしたいという人は、人里離れた山奥にでも籠って行なうべきだろう。

 オナニーとは、金もかけずに気持ち良くなれる、素晴らしい行為であるが、一歩間違えると大惨事をも起こしかねない。新たなる刺激を求めて、工夫を施すのは大いにけっこうであるが、禁断の果実にまで手を伸ばしてしまうと、アダムとイブがエデンを追われたように、快感天国を追われてしまうことにもなりかねないので要注意である。
(文=菊池 美佳子)

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