毎週木曜に気落ちする40代女性が続出!? その背景に小泉今日子!

※イメージ画像:『Kyon30~なんてったって30年!~』
ビクターエンタテインメント

 このところ、毎週木曜日になると「気落ちする」というアラフォー……いやオバフォー(OVER40)女性が増えている。

 これは、ドラマ『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の影響のようで、放映翌日には、職場仲間や友人間で「今回もまた凹んだ」「40代の女性を馬鹿にしすぎ!」とドラマの出来について不満をぶちまける40代女性が続出中だという。

 恋することに臆病になってしまった40代半ばの独身キャリアウーマンを、小泉今日子が演じるこのドラマ。脇を固めるのも、飯島直子や森口博子など「元アイドル・グラドル」の40代女性陣だ。

 ストーリーやキャストを見る限りでは、ドラマ制作サイドも”オバフォー”を視聴者ターゲットにしているのはあきらか。しかし、実際は”同世代の共感”を呼ぶどころか、反感の声があがっているのはなぜなのか。

「いやー、なんかもうリアリティーありすぎて、具合悪くなってくるんですけど……(笑)」

 こちらはTwitterで見つけたツイート。どうやら「40代女性が抱える悩み」が生々し過ぎて直視に堪え難いようなのだ。

 しかし、それだけが不評の理由ではない。40代女性たちの生の声を取材してみると、どうやらそのリアルな悩みを「馬鹿にされている気がする」のが不快らしい。

「第一話で、生理不順に対して「まさか閉経?」というくだりがあったのですが、実際に私も婦人科系の不調があるので身につまされました。そこまでは共感できたのですが、回が進むにつれて、あまりにもこの「年だねえ」話が連続しすぎて、「私たちをコケにしとんのか!」と腹が立ち始めてきた(笑)」(44歳・公務員・独身女性)

 例えば、20代の益若つばさ(ドラマでは脚本家で既婚者という設定)に、小泉今日子ら40代女性3人が、「独身」「寄る年波には勝てぬ話」を自虐的に披露するシーン。「なんで、そんな痛いネタいっぱい持ってるんですかあ?」と益若に言われ、「笑っていられるのも今のうち。あなたもいずれこうなるんだって」などと40代女性陣は余裕で言い返すも、「私、結婚してて子供もいますから」と一笑。

「あれは……ひどい。いや、確かに『若いし、結婚してるから、あなた方のような40代にはなりません』という女の子の気持ちはわかりますよ。でも、それって胸中にしまうものであって、あんな風に面と向かってとどめをさされることは、普通に生活してるとそうそうないですよ。私たちだって「若い子はこんな風に思っているんだろうな」くらいの自覚くらいある。でも、だからってあんな描写をわざわざされると、本当に不愉快!」(45歳・自営業・独身)

「40代女3人でマッサージに行って、『最近は疲れがとれない』と口々にエイジングトーク。確かに私もそんな会話しますよ。でも、それは自発的にするからいいのであって、『40代女性の自虐』を客観的にネタにされると、なんだか妙にイラつくんですよね。しかも、登場する40代女性みんな、なにかしら常に愚痴るか怒るかしかしてないし。「更年期間近な女性って、こうなんでしょ、欲求不満なんでしょ」と言われているみたいで、腹が立ちますね」(42歳・商社勤務・既婚)

「『40代の女性って、こんなこと言ったりしたりすれば、すぐに落ちちゃうんでしょ?』という描かれ方が嫌。例えば、坂口憲二演じるイケメンが、主人公の千明(小泉)のことを、初対面にもかかわらずファーストネームで呼び捨てにしたり……。あれ、坂口憲二だから許されるのであって、普通はドン引きしますって!」(46歳・自営業・既婚)。

「飯島直子演じる出戻り主婦・典子が出会い系にハマったり、その出会い系で知り合った若者の父親から、どういうことか「あなたの気持ち、わかります」とホテルに誘われたり……。もう勘弁してほしい! まじで『間に合ってます』とテレビに向かって叫んでしまいましたもん、私(笑)」(43歳・出版社勤務・独身)

 とにかくオバフォーには散々たる評価のこのドラマ。しかし、不思議なことに、彼女たちは毎週このドラマを視聴しているという。痛々しさがエンターテイメントとなり、自虐ネガティブスパイラルを起こしているのか。はたまたこれこそがドラマ制作サイドの狙いなのか。

 一方で、同ドラマは20代、30代の女性にはウケがいいようだ。

「ちゃんとマーケティングされて、回を追うごとに面白くなっている」
「最近一週間の楽しみが木曜日。『最後から二番目の恋』にドハマリ中。三十路過ぎてからドラマにハマると仲間も少なくて悲しいが、好きなんだから仕方ない!」
「ああいう先輩がうちの会社にもいる! 超ウケる!」

 などなど、Twitter上で好評価投稿をしているのは、だいたい30代前半までの女性たちである。まだ現実味を感じないからこその余裕なのだろうか。

 いずれにしても、賛否両論のこのドラマ。視聴率は第一話では「12.1%」だったが、回を重ねるごとに伸びて行き、第七話目では「13.1%」をマークした。「恐いものみたさ」の40代女性と、「痛さを楽しめる余裕が残っている」30代女性を見方にして、後半はさらに視聴率を伸ばしそうな気配である。
(文=島みるを)

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