オナニーしないオトコたち……その実態とは!? 

※イメージ画像:『オナニーと日本人』/著:木本 至/インタナル出版部

 バンジージャンプや42.195キロのフルマラソンなど、一部の人しか行なわない行動もあれば、人間なら誰しもがとる行動もある。例えば、「食べること」。ダイエット目的などで一時的なファスティング(断食)をすることはあるかもしれないが、長期的に食を断っているという人はおそらくいないだろう。ほか、「排泄」も人間誰しもがとる行動である。前述のファスティング中とて、尿意や便意は当然のようにおとずれる。

 では、「オナニー」はどうだろう。成人男性なら誰しもがとる行動……と思いきや、なんとオナニーをしないという者がいる。にわかには信じ難い話だが、成人男性がオナニーせずに生きていくことは果たして可能なのか? 女性が「オナニーしない」というのはまだ理解できる。「本当はオナニーしてるんだろ!?」とツッコミたくもなるが、女性のオーガズムは、射精を伴う男性のオーガズムと違ってわかりづらいため、オナニーに関心を示さない者も確かに存在する。なお、オナニーしないからといってセックスが嫌いというわけではないようだ。「自分で触ることには興味を持てないが、他者からもたらされる刺激は快感である」という女性は少なくない。

オナニーはしなくてもセックスはする?

 オナニーしない男性の中にも、セックスはするという者がいる。と聞くと、「セックス相手に不自由していない、という自慢か?」と憤りを感じるかもしれないが、考えてもみるとオナニーで得る快感とセックスで得る快感は全くの別物である。いくらセックス相手に不自由していないからといって、オナニーせずに平気でいられるのだろうか? 

オナニーをしない理由

 まず、オナニーをしない理由についてだが、「面倒くさい」という回答には驚かされた。確かに、アダルトビデオを借りてくる・パンツを脱ぐ・ティッシュを準備する等々、オナニーに際して準備すべきことは多々あるが、そういった手間など苦にはならないくらい、オナニーとは気持ち良いものなのではないだろうか? 「面倒くさい」という点に関していえば、セックスのほうがよっぽど面倒くさいであろう。

 ほかに、「怪我がきっかけで、オナニーをしないライフスタイルが習慣化してしまった」という男性もいた。オナニーの生命線とも言えるべき右手を負傷してしまい、左手でトライするも、感度はイマイチだったとのこと。怪我が治るまでの期間だけ禁欲するつもりが、思いのほか回復まで時間がかかってしまい、完治した頃には、オナニーをしない生活が当たり前になってしまったというのだ。

 理由はどうであれ、オナニーせずに日常生活を営めるものなのだろうか? 最大の疑問は、なんといっても精液の処理について。男性の体内では、日々精子が作られている。精子が溜まると、排出したいという欲求が起きるだろう。これに関して、夢精の有無を確認したところ、そういった現象もないという。では、オナニーしない男性の精子はどこへ消えているのかというと、分解されて体内に戻ったり、尿と共に排出される仕組みになっている。なるほど、これならオナニーや夢精がなくても、溜まった精子の循環は可能ということになる。

 心理面でも、特にデメリットはないという。確かに、「本当はオナニーしたいのに、何らかの事情があって禁欲している」という状態とはわけが違い、「オナニーは不要」という本能に則ったライフスタイルなのだから、苦痛に感じることはないのだろう。苦悩といったら、せいぜい「オナニーしないと言っても、信じてもらえない」ことくらいだそう。

 なお、オナニーしない男性に対する第三者からの声だが、「男らしくない!」「カッコつけているみたい」など、やや厳しい意見が目立った。しかし、オナニーをしないことで誰かに迷惑をかけているわけでもなし、外野がとやかく言う問題ではないだろう。とはいえ、古代ギリシャの哲学者ディオゲネスの、「擦るだけで満足できて、しかも金もかからない。こんなに良いことは他にない」という言葉どおり、オナニーとは良いものである。試しにちょっと触ってみてはいかがだろうか? 
(文=菊池 美佳子)

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