Google・Appleで排除されたアプリだけを売る「リジェクトアプリマーケット」!!

reject0915.jpg※画像はリジェクトアプリマーケットHPより

 2000年代、世界最大の電子書籍大国は日本であり、その中心はケータイコミック、しかも成人向けのものだった。しかし現在主流になりつつあるスマートフォンやタブレットの世界においては、少なくともメインとなるマーケットからは排除される傾向がある。iPhone/iPadを擁するアップルがアダルトコンテンツに極めて厳しいことは以前から知られていたし、Android Marketが一見寛容そうではあっても実態は「水着以上は不可」であることも、業界関係者の間では周知の事実となっている。このままでは年商600億円の巨大市場がガラケーとともに消滅してしまうのか、と思われたが、スマートフォンにおいてこの市場の継承を狙う人たちはやっぱりいたのだ。

 株式会社エムトリックス(東京都台東区)は、この7月にいきなりアダルトゲームの移植版をAndroid向けの独自マーケットでリリースし、しかも1日で1万本を売り上げるという壮挙を達成した会社だ。そのエムトリックスが新たに出してきたのが、「リジェクトアプリマーケット(http://m-trix.jp/reject/)」といわれるサイト。「公式マーケットから排除されたアプリってどうよ。面白いアプリに決まってるよね。」というコピーを売り文句に、本家で出品停止処分にあったアプリだけを売ろうというのだ。

 社長の谷亮太氏に尋ねると、「本来、ほんのちょっとした事務上の手違いで公開停止になったアプリの敗者復活の場として用意した」ということだが、内容の過激さゆえに販売アカウントごと停止されたような「強者」アプリも拒否しない、とのこと。「ただ、あからさまに日本の法律や条例などに抵触しているもの、悪意のあるコンテンツについてはご勘弁いただいています」。

●広がる「公式以外」の世界

 実はアダルトコンテンツだけを集めて販売しようとしているサイトは、「リジェクトアプリマーケット」だけではない。昨年暮れから今年はじめにかけて「Android Marketではアダルトコンテンツは売れないらしい」という情報が流れはじめ、気の早い企業は3月ぐらいから独自マーケットの設立に動いていた。3.11の影響でスケジュールが遅れたが、5月から7月にかけてサービスインしたサイトが複数ある。

 GoogleはAndroid Marketではポルノグラフィーの販売を認めていない(しかし「全年齢向けコンテンツ」というカテゴリを設けているなど、矛盾点も多い)。しかし、企業がAndroid Market以外のマーケットを設立してアプリを販売することは認めている。つまり「売りたいなら売り場は自分で作れ」ということなのだ。

 アップルの場合はそうはいかない。iOS上で動作するアプリは、必ずアップルを通して販売するように、とされている。しかし、電子書籍ならePubのような汎用フォーマットを使用すればいい。ゲームアプリに関しても、抜け道はある。上述のAndroid向けのサイトが、このようなデータを売り出したとしても、アップルは何の文句も言えない。実際、ePubのデータは、DMM.comやDLSite.comのようなアップルとは何の関係もないサイトで売り出されているのだ。こうしたサイトがすでに存在するのだ、ということが一般ユーザーに認知されれば、「儲からない」といわれている日本の電子書籍産業にもかすかな光が差してくるのではないか、と思われる。

●ガラケーの書店の動きは?

 注目したいのはこの手の「独自マーケット」を構築しようとしている企業は、Web上でのダウンロード販売システムを独自に制作できるソフトウェア系のところが多く、すでにコンテンツを持っている書店系は非常に少ない、ということだ。

 さらに不思議なのは、「600億円市場」を支えていたガラケーの公式電子書店を運営する企業が、まだ表立った動きをほとんど見せていない、という点。「まだまだガラケー」と考えているのか、「ガラケー以外では電子書籍販売なんてうまくいかない」と思ってるのかは、定かではない。

 しかし、昨年から今年にかけてのガラケーからスマートフォンへの移行速度は、どんな脳天気なアナリストが予測したものよりも凄まじいものとなっている。「まだまだガラケー」と安穏としていると、あっという間に時代に取り残されてしまうことにもなりかねない。

 ではすでに参入したソフトウェア系企業の方は安泰なのかというと、上述のエムトリックスのようなケースは例外に近く、この春にサービスインしたが秋にはもう撤退する、という企業もある。ただ、全体的に市場は拡大しつつあり、一気に売り上げが爆発するテイクオフの時期も間近であろう、と実感できるようになってはいる。

 ガラケーの漫画はコマごとに切断されているが、モニタサイズが大きく、しかも拡大縮小が自由なスマートフォン向けの漫画は、1ページ丸ごと表示できるようになっているものが多い。作家にとっても読者にとっても、1ページ丸ごと表示の方が好まれることが多く、そういう意味ではガラケーからスマートフォンへの移行は確実である。問題は、雪崩を打つがごとき大規模な移動が、いつ生じるか、ということだ。そうしたシステムを作り出すことができた企業が、スマートフォンにおける電子書籍市場の覇者となるのだろう。
(文=高安正明)

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