「この場所にいることに意味がある」関西発清純少女の成長

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 昨年10月にアリスJAPANから華々しくデビューを飾り、いまやトップアイドル女優としてその座を磐石のものにしつつある葵つかさちゃん。そんな彼女のルーツに迫るインタビュー第5弾。デビュー前、芸能活動、AVデビュー後、目標をひとつ達成した後など、彼女を追ってきたこの連載も今回でひと区切り。これまでの経験から彼女が考える「AV」とはどういうものだろうか?

──デビューして半年たちますが、印象に残った作品や雑誌撮影などはありますか? 

「う~ん、難しいですね。どの作品も気持ちを込めて臨んでいるので、どれかって言われると……。本音を言えば、デビュー作は見てほしくないんですよ(笑)。ホント、プレイがつたなくて、恥ずかしい(汗)。でも、撮影の時を思い出すと、『私は絶対に手を抜いてない』、『常に自分の精いっぱいを出し切っている』って言えるから、デビューのころの初々しさも、それはそれでいいかなって最近になって思えるようになりました。これからは、さらに技術的なことも含めて成長して、みんなをもっともっとわくわくさせたいなって思います」

──以前のインタビューで「自分の作品を見られない」と話していましたが、その後、自身の作品は見ましたか?

「今まで見ていなかったけど、実はこの間初めて新作の『あなただけ見つめて』を見たんですよ。もっと違うプレイの見せ方があったなとか、もっと身体を綺麗に見せられたな、とか考える部分がいっぱい出てきて、次の撮影に生かそうって思えました。でも、無理に楽しもうとか、エロく撮られようとかはしていないんですよ。本当に、少しずつ自然と身体に身についてきたのかな? だから、一度葵つかさを見た人でも、また違った私を見てもらえるんじゃないかな。なので、次の撮影も楽しみですね」

──ファンは”葵つかさ”をどう見ていると思いますか?

「そのまま、見たまんま。純朴そうとか幼い雰囲気とか? 自分で言っちゃうけど(笑)。でも最近は、自分を客観的に見られるようにもなりました。これまでは、自分が表現したい自分しか見えてなかったから。こうなりたい!! と決めつけるより、背伸びをしない等身大の自分を出していけばいいって分かってきたかな」

──ファンが見たいつかさちゃんを、出せるようになってきたということですか?

「そう! たぶん人気がある女優さんって、ファンが求めているものを理解して、表現できる人なんです。それで『そうやなー、自分の場合はこうかなー』って、ファンが好きだと言ってくれる自分を出せるように考えるようになって。だから、同じシリーズ物でも私が撮られるのと、ほかの子が撮られるのとで違いを出さなきゃいけないってことも分かってきたし。日々一生懸命、どうしたらみんなに喜んでもらえるのかなって悩み抜いて、今はみんなが求めている私を出せている気がするんです」

──考え方がちょっと大人になったって感じですね。

「そう。20歳にもなったし、人間的にも大人になったんです。お酒も飲むし、最近はビール以外にも甘いのとかも飲みます。お酒飲んでいると楽しいですよね。何も考えなくてもいいかな、って気分になります」

──ハハハ。では忘れたいような、つらかったことはありましたか?

「つらかったことは、やっぱり多かったな。私は負けず嫌いなので、人から何か言われると『分かってるのに!』 って反発したり、ほかの人はできて当たり前のことができなかったりすると、すごいいら立ちがたまって自己嫌悪して、自分が嫌になっていく、負のスパイラルみたいなのにはまっちゃって。でも、そういうのから逃げちゃいけないって思えてきたから。まだ、人から言われたアドバイスを自分の中で受け入れるまでに時間はかかるけど、全部に耳を傾けて受け入れようと努力をしています。だって、私を思って、みんなが私のために言ってくれた言葉なので。こういうふうに考えられるようになったのはAVのおかげかな」

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──AV女優としてだけでなく、人間としても成長しているんですね。

「そうなんです。でも、人から注意を受けるうちは幸せだと思っています。本当にいろいろと悩めてよかったなって、ボーッと過ごして二十歳っていう年を終わらせるよりも、すっごく濃厚な一年でした。人間としても成長したなって気がします。この場所にいることに意味があるんだろうな。私に関係してくれた人たち全員に感謝しています。だから、自分ができることを最大限やって、みんなに恩返ししなきゃいけないって思っています。自分の力の見せどころかなって」

──考え方が変わるほどに日々成長する中で、SEXについての考え方も変わりました?

「その辺は初めのころから、あまり変わってないかも。SEX自体は好きですよ。今はお仕事以外で、SEXする人がいないからAVの撮影が楽しみなんです。でも、普段まったくSEXしてないから、AV女優なのにいいのかなって思ったりも。日々SEXをすることは、いい女として成長するのに必要な気がするんです」

──今でも、SEXした後に話をしたりするのは苦手なんですか?

「うん。ちょっと、なくていいかなーって思います。『何しゃべるん?』って感じになっちゃうから、たまにずーっとラブラブモードの人もいますけど、すごいなって感心しちゃう。私はそういうの苦手なんです」

──女性ってSEXよりもその辺を重視するのでは?

「意外と、うそだと思いますよ(笑)。今の時代は、SEXできたらOKっていう野獣みたいな人も多いはずです。私は、終わった後『大丈夫だよ~』とか『今度いつ会おうか~』とか言われてもあんまり。そんなことより、頑張ってプレイをしてくれた方がうれしいですね」

──はっきりしていますね(笑)。今後AV以外に進出する予定はあるんですか?

「ドラマに出演して、本格的に演技もやってみたいなって思います。いろいろ企画はしているんですけど、ちょっと秘密です。ファンの方々が私に何をしてほしいのかも気になりますね。イベントで会ったりすると、CD出してくださいっていう方もいますし。ただ私は、歌唱力とかあまりないからちょっと……難しいかな? って思います。でも、ご意見は募集中ですよ。それに、ただSEXだけを見たいんじゃないんだ、私を見てどんなことをしてでも応援してくれるファンがいるんだ! って分かって、すごくうれしかった。ファンと一緒にいる感じがすごくします」

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──連載2回目のインタビューで「生きている証」という印象的な言葉がありましたが、残せたなという実感はありますか?

「まず、月刊サイゾーさんの表紙に出られたのは、自分の中のひとつの節目。クリアすることができたのは、ひとつの証だと思っています。でもAVに対して、生きている証を残せたかというとまだピンと来ないです。引退する時に考えるものだろうから、今はあまり考えていないかな。それに、まだ振り返る感じもしないんですよ」

──なるほど。ではデビューして半年、AVをとことんやってみてどうでしたか?

「本当にあっという間に過ぎていきました。デビュー当初は、SEXが楽しいものだとあまり知らなかったから、いろんな経験を重ねて、最近ようやく撮影が楽しめるようになってきましたね。でもまだ、答えは出ていません。まだまだ、どんどんなーんでもやっていきますよ。それに私の中では、”最初がまだ来てない”気がするんです」

──最初が来ていない? 

「まだこれからですよ。最初のころはなにも準備をせず、ただエイヤ! って裸一貫でこの業界に飛び込んでみただけだったので(笑)。でも、やろうと決心して入ってみたものの、何も知らなかったから。最初はまず行動することの方が必要だなって思っていたけど、それって単に甘えているだけなんですよね。だから甘えている分、頑張らないと。今からが勝負だって思っています」

──今まででは準備期間で、これで態勢が整った感じなんですね。

「そう、今AV女優になった。だいたい今日くらいからハッキリ言えるようになりました。リアルに言うと、昨日の撮影から開眼した感じ(笑)。もっと、ちゃんと自己分析をして、めいっぱい頑張りたいな。これまでやってみて、AVが本当に楽しいものだと分かりました」

 デビューして半年たち、やっとAV女優という道を走り始めたと話してくれた、つかさちゃん。トップを走り続け、常に自己研鑽を怠らなかったように見えていたが、自身ではまだまだだと考えていたようだ。これから先、何をしてくれるのか、まだまだつかさちゃんの成長が止まらない!

(取材・文=明日春人)

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