『New Comer 一目惚れしちゃった』秋元まゆ花

 芸能人のような派手さはないし、アイドルと呼ぶには親しみやすい秋元まゆ花ちゃん。このAVデビュー作の前にイメージ作品を一本リリースしているものの、普通のお嬢さんという印象はぬぐえない。だが、それがいい!!

 元芸能人で溢れかえる現在のAV界。その一方ではAVアイドルの芸能界進出が続出し、気づけば(AV界=芸能界の二軍)という印象をうけてしまう。しかし、本来AVでは、普通の女の普通のセックスが見たいという願望が根底にあるはず。澄ました顔して街を歩く美女が、一体男の前ではどんな顔で喘いでいるのか……。それを覗き見ることこそ不朽のテーマではないだろうか?

 そんな根本的な願いを叶えてくれたのが21歳の秋元まゆ花ちゃん。先述の通り、一見すると普通の清楚なお姉さん。インタビューに受け応える姿も聡明で落ち着きがあり、どうしてこんな美女がAV女優に、しかもマックスエーという老舗メーカーの専属女優としてデビューしたのか不思議に思ってしまう。

 しかし、こう見えて彼女はAV好き。アイドルの延長としてAV女優を眺める今どきの女子とは違い、オナニーの道具として「使用」する生粋のAVファンなのだ。

 そんな彼女のセックスは、いい意味で等身大。人懐っこく笑い、愛に飢えた目で男とキスを交わし、頬を紅潮させてベッドになだれこんでいく。いわゆる新人の初セックスという形式ばった印象は薄く、その代わりに感じるのは、日常的な心底快感を味わうためのセックス。激しく腰を上下させる騎乗位は貪欲で、正常位で目が合った瞬間、テレ笑いを浮かべながら喘ぐ。これぞ、正しいセックス。形式上ウブさを演出する作品とは違い、彼女本来のピュアな魅力をそのまま切り取ったようなセックスなのである。

 デビュー作定番のオナニーシーンでも彼女は印象的な顔を見せてくれる。羞恥に目を潤ませ、言われるがままに膣を指で押し広げ、もっと命令して下さいと言わんばかりの罪深い顔で悶絶。撮影されている状況を肌で感じ、心から興奮する女の目で、そっと絶頂に達する。

 舌先で探るようにそっとチ●ポを口に含む緊張の面持ち、尻を突きだし挿入を待つ顔、発射されて恍惚に崩れ落ちる横顔、どれもが深い感慨を生む、本当に不思議な女の子。気さくだがあっけらかんとしているわけではなく、セックス中は目の前の男だけを見つめるまっすぐな気持ちが感じられる。最近では少ない女臭い新人女優だと感じた。

 熱っぽい瞬間恋愛を繋げて作り上げた、まぶしく光る宝石のようなデビュー作。とても希少価値の高い作品である。
(文=文月みほ)
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◆メーカー:マックスエー◆品番:XV-920◆時間:180分◆価格:2980円