『赤ちゃん出来てもいいから中に出して 』弘前亮子

「中出しは女性にとって危険なことだと分かっています。でも、生で犯されて中出しされると本当に気持ちよくって……」

 衝撃的な告白で始まるこの作品は、いわゆる男性目線で描かれた凌辱的中出し作品とは違い、禁断の快感に溺れた一人の美少女の主観で描かれた作品である。

 主演の弘前亮子ちゃんは、一見するとどこにでもいそうな可愛らしい女の子。けれど、男を前にするとそのイメージは一変。臆病そうな笑顔といい、簡単に征服できそうな華奢な仕草といい、いかにもマゾっぽいオーラが剥き出しだ。

「本当は中出しなんてされたくないけれど……」

 そう言いつつも、その快感には抗えないと言う彼女は、存在自体がミステリアス。恋人や援交相手とのセックスで無邪気に笑いながら、「大丈夫、大丈夫ぅ♪」と積極的に中出しを乞う様は、なぜだかジメッとした淫靡な匂いを漂わせる。恋人に対しては、貪欲なほど興奮を露わにしながら騎乗位でチ●ホを膣に埋め、援交オヤジにはじれったい顔で生セックスをせがむ姿に、どうしたって彼女の暗い生い立ちをフラッシュバックさせられてしまう。当然、生い立ちについてまで語られてはいないのだが、なぜだか重たい過去を感じさせる。

「出してぇぇ!!」
「俺の子ども、産んでくれるんだね?」
「………あぁっ!!」

 子どもと言う単語を聞いて一瞬だけ表情を硬くする彼女。これは演出なのか? 素なのか? と、思わず食い入ってしまう瞬間だ。しかし、矛盾と戦いながら中出しを乞う彼女が中出しされ、ビクビクと肩を震わせながら快感に目を細めて微笑む顔が画面いっぱいに映し出されると、そんなことはどうでもいいように感じてしまう。きっとそれは筆者のみならず、誰もが同じように感じるはず。だって、こんな幸せそうな顔、なかなか見られたものではないから。

 所詮、女の快感ってそんな刹那的なものなのか? そして、快楽に弱いのは男より女なのかも!? そんな重苦しくもエロティックな余韻を残す気になる1本である。
(文=文月みほ)
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◆メーカー:グローリークエスト◆品番:ETC-79◆時間:115分◆価格:3780円