『相内しおり 引退』相内しおり

「私が間違って応募したオーディションは、今考えてみると全然間違ってなかったんだなって思いました」

 処女のままで第2回シンデレラオーディションに応募し、見事グランプリに輝いた奇跡の美少女・相内しおりちゃん。日本中が見守った処女喪失から半年。この作品を持って遂に引退することになった。大乱交、ソープ、失禁、露出など、普通の19歳の女の子が一生体験できない貴重な体験を重ねた半年。この作品には、彼女の成長の記録と、そして半年かけても変わらなかった無垢な素顔が集約された記念すべき1作となっています。

 最後の撮影を前に渡されたのは白紙の台本。不安と寂しさをうっすらと浮かべながらも、変わらぬ笑顔ではにかむ彼女に課せられた最後のミッションは、「大量ぶっかけ」と「中出し」。開始早々に、だまし討ち状態で5発ものザーメンを頭からたっぷりと浴びて脱力してしまう。だがその時漏らした感想にちょっとほっこりした。

「一人ずつ違う……?」

 これですよね、これ。ちょっと的のズレたこともサラッと言ってしまうこんな飾らない性格が、彼女がこれまで愛されてきた理由なんだと実感させられた瞬間だった。

 最後の最後でAV界の洗礼をこってりと受けることになった彼女は、その後、すぐに人生初の中出し3Pを体験することに。緊張を露わにするその表情はどことなくデビュー作を彷彿とさせ、挿入する瞬間に悲鳴のように漏らした「あんっ」と、いう喘ぎ声。少し苦しそうにも見えるその顔は、まだまだセックスにも不慣れな様子を克明に伝えるようにも見えた。

 愛あるラブラブセックスをテーマに行われた完全主観プレイもまだまだぎこちなく、初々しいまま。けれど、クライマックスで待っていた公開セックス&20人連続大量ぶっかけでは、ドキッとするほど大人っぽい顔で深い吐息を漏らす。そんな2つの顔が行ったり来たり。結局彼女は、ずっと彼女のまんま。

 セックスを覚えても、肉体が大人になっても、ピュアなままで巣立っていくのだと、安心させてくれた引退作だった。その反面、デビュー作であんなに泣いていた泣き虫の女の子が、最後は一度も涙を見せなかったその意味はなんなのだろうと考えさせられた。その答えは、花束を受け取った瞬間に見せた表情の中にあるのだろう。きっと、見る人によって変わるだろうが……。ただ一つはっきりしているのは、こんな甘酸っぱい余韻を残す引退作は、これまでなかったということ。それだけでも彼女の存在した意味は大きかったとしみじみ思った。
(AV評:文月みほ)
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