『スマター・トレック』

 これは泣ける! 笑いすぎて号泣!! 本作は、言わずと知れたアメリカのSFドラマ『Star Trek(スター・トレック)』の初代シリーズ邦題『宇宙大作戦』のパロディAV。09年のアメリカ作品で、原題は『STAR TRIX “DEEP PENETRATION”(深い挿入)』。タイトルからオフザケが始まっているので、ゆるいスター・トレック風AVかと思いきや、これが何と完コピ。

「艦長航海日誌。宇宙暦××年……」

 という、トレッキー(スター・トレックマニアの通称)なら誰もが口ずさめるお決まりの台詞からスタートし、60年代に制作されたボタンだらけの玩具っぽいブリッジも、トレーナーっぽい制服も、学研の付録みたいな通信機もそのまんま。さらに、役者陣のなりきり度も相当高く、原作好きなら声を出して笑ってしまうほど、細かな仕草や表情まで真似ているのだ。

 物語の舞台は、U.S.S.エンタープライズ号ではなく、セイコウ号。機体はエンタープライズに似ているが、エンジンが男性器型をしており、駆動力は「セックスドライブ」。強い性欲やセックス力が船を動かすという仕組みになっている。

 そんな高い技術力を見込まれて、たまたま通りかかったノーファン星で、ミュータント退治を頼まれるカーク船長ならぬ、ダーク艦長。しかし、転送ミスで緑色の肌を持つ淫乱美女の星に舞い降りてしまう。星の文化を尊重するという理念から、いきなり即尺で迎える緑肌美女の儀式を受けている最中、乗組員によってノーファン星へと転送されしまいあたふた。それでも任務を果たすべく、ダーク艦長がフルチンのままめんどくさそうにミュータントを倒すのだが、その尊大な戦いぶりが実際のカークもやりそうで、爆笑もの!

 その後もエロい事件が立て続けに起り、今度は美人黒人通信士官ウフーラならぬオフラが、一生不感症になってしまうかもしれない病に倒れ、救急室に運ばれる。そこで艦長の指令を受けたマックジョイがセックス治療を行う。勿論、耳のとがった異星人・ミスタースポックならぬミスターシャックも大活躍。

「地球人のセックスドライブなんて、みみっちくって早漏~」

 と、せせら笑う「デカパイ」と名乗る謎の美人異星人を撃退すべく、無表情のままで肉棒を突き立てる。

 内容は極めてオバカなので、頭の柔らかいトレッキーには絶対お勧め! 当然、トレッキー以外の方々にも楽しんで欲しい大傑作。ちなみに筆者は、苦心して集めた原作DVDコレクションの棚に一緒に並べておこうかと検討している最中だ。
(AV評:文月みほ)
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◆メーカー:コンマビジョン◆品番:BOB-066◆時間:60分◆価格:2940円