これぞ平成版ピンキーバイオレンス!

裸で十字架背負わせたら世界一・亜紗美 VS 世界一喪服の似合う女優・三輪ひとみ 「スケ番☆ハンターズ」公開記念インタビュー

suke_DSC6855.jpg左:クールビューティー三輪ひとみ、右:ガチンコ・アクション女優、亜紗美

 吹っ飛ぶドタマ!! 裂ける股間!! 千切れる指!!

『片腕マシンガール』(07)以降、『ロボゲイシャ』(09)や『戦闘少女』(10)など、近年続々と公開される残酷ガールズアクションの流れに、また新たな一ページを刻むべく誕生したのが、今回紹介する『スケ番☆ハンターズ』だ!!

 上記作品でもアクション女優としてめざましい活躍を見せつけてきた亜紗美を主役に迎え、愛する者たちを次々と奪い去る巨大な組織に対して復讐を誓うヒロインを描いた本作。マカロニウェスタン風味のガンアクション『地獄の決闘』(奥田真一監督)と、往年の東映ピンキーバイオレンス路線を彷彿とさせる、お姉ちゃん軍団大暴れな『総括殴り込み作戦』(中平一史監督)のニ作品が連続公開されるが、今回、両作でヒロイン・アサミを演じた彼女と、『地獄の決闘』で冷酷なヤクザの用心棒・アキラを演じた三輪ひとみの両名に直撃!! 平成ピンキーバイオレンスの最先端にいる彼女たちの声を聞け!!

20100520suke.jpg『爆発!スケ番☆ハンターズ/総括殴り込み作戦』より ©2010ハンターズ製作委員会

■十字架女VS喪服女

──まず、今回『スケ番☆ハンターズ』に出演されることになった経緯は?

亜紗美 この作品の前に、オムニバスの短編で『893239(ヤクザ23区)』っていうシリーズがあって、その中に『やくざハンター』っていう、今回の両監督が合作で撮った作品があるんですよ。自分をモデルにみたいな感じで監督が作って下さって……。それで今回の作品は脚本段階から参加させて頂きました。

三輪ひとみ(以下、三輪) 私、何かあったっけ?(笑)

亜紗美 三輪さんに決まる前に奥田さん(『地獄の決闘』監督)と飯食ってて、三輪さんがいいんだよね~って話をずっとしてて、決まるといいっスねって。

──三輪さんが最初に脚本を読まれた時の感想ってどうでしたか?

三輪 最初に『やくざハンター』を見せていただいたんですけど、これまで私が出た作品よりもハチャメチャ度が高かったんですよ。そういうのはウチの事務所的には好きなんで(笑)今回の作品はそれとは雰囲気が違っていて、真面目な感じのアクションで面白そうだよねって。

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──三輪さんとしては珍しい悪役ですね。

三輪 悪役も結構やってはいるんですけども、アクションというのは初めてですね。

──昔は「日本一喪服が似合う女優」って、凄いこと言われてましたね(笑)。

三輪 『発狂する唇』(00)くらいからでしたよね、被虐キャラというか、自虐というか(笑)。

──今回この作品って、昔の東映ピンキーバイオレンスとか、あの辺の路線にオマージュを捧げてる部分ってあるじゃないですか。作品を見て研究したりとかって部分はあったんですか?

亜紗美 五年程前に井口昇監督に、「亜紗美って70年代の東映映画に出てくる女優みたいだよね」って言われたことがあって。それまで映画とか一切見ない子だったんですけど、池玲子さんとか杉本美樹さんとかみたいだよねと。彼女らが仁義切ってるところに、合成で亜紗美入れても多分違和感ないよねって話を監督たちがやってたんですよ。で、それでちょっと気になって見たのが『女囚さそり』シリーズで、あ、凄ぇ格好いいな、これと。それで70年代のピンキーバイオレンス系のが好きになって、それで池玲子さんが死ぬ程好きになって、『聖獣学園』(74)とか『野良猫ロック』シリーズとか、そういうのも結構見てて、中平監督なんかも丁度その位の時期から知り合いで、中平さんはそういうのが好きだってのを知ってたんで、撮影中とかも「亜紗美、あの映画のあそこのシーンね」って。ああハイハイと(笑)。

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──その中で特にお気に入りの作品は?

亜紗美 やっぱり王道ですけど『さそり』とか好きですね。あと『温泉みみず芸者』(71)とか鈴木則文監督が大好きで、則文さんに何回かお会いさせていただいて、「君は(役者として)いいよ」って言ってくださって泣きそうになっちゃって。大好きな池玲子様を育てた監督に褒められたよーって(笑)。

──三輪さんは監督から「こう演じて欲しい」という要求はあったんですか?

三輪 私の場合は特に表情を無くすっていうのをずっと言われてますね。やっぱり戦ってる時とか表情が出ちゃうんですけど、それもなるべく無くして欲しいって。

亜紗美 奥田監督、ブログにも書いてましたよ。殴られても表情変えるなとか(笑)。

──共演の方々の印象ってどうです? 特に今回、両方に出てる方で佐藤佐吉さんと掟ポルシェさんがいるじゃないですか。

亜紗美 佐吉さんとポルシェさんは短編の時から一緒に出てるような感じで、だからどういう風にやってくるかっていうのは何となく分かったんですけど……佐吉さんに関しては台詞が滅茶苦茶多い役で、特に『地獄の決闘』に関しては、私も三輪さんも特に喋るとかいう役では無かったんで、佐吉さんが説明文を一気に引き受けて(笑)。それは流石だなと思いました、でもなんか面白くて。掟さんは……現場で音が割れるんですね(笑)。だから作品になると何言ってんのかわかんないんス(笑)。それがスゲー面白いんです、『地獄の決闘』の方も、最後に掟さんがバックショットで、マフラーしてたのをぶん回して「来るな、来るな!!」ってマフラー投げたりするんですけど、最後、撮影上の都合でマフラー取りたいって監督が言い出して。そうしたら掟さんが、ヒステリックにぶん回していいですかって。あ、それ行きましょうってやってるんですけど、笑っちゃって笑っちゃって(笑)。自分も普段表情を変えないって設定なのに笑っちゃう。だからちょいちょい表情がピクピクしてるんですよね、よく見ると。そこを(劇場で)見てくださいっていう(笑)。