『癒らし。 VOL.68』平井綾

 「髪、伸びたね」から始まるぎこちない会話。彼の熱い視線を上手く交わしながら、いそいそと暖かなこたつへと誘い、テレ隠しに甘酸っぱいミカンを頬張り、次の言葉を探し始める……。

「なんだか恥ずかしいね……えへへ」。

 遠距離恋愛シミュレーションAVの傑作『癒らし。』の最新作は、めちゃくちゃテレ屋な恋人・綾ちゃんが主人公。東京での一人暮らしを始めた彼女が、久しぶりに地元から訪ねてきた彼氏を部屋へ招きいれるシーンからスタートするが、これが青春ドラマ級のジレったさ。ジレった過ぎて、気がつくと胸をキュンキュンさせながら、前のめりになって恋愛気分に浸ってしまう不思議な作品なのだ。

 何度も恥ずかしいとハニカミながらこたつでイチャつき、じゃれあうような甘いセックスを楽しむ綾ちゃんの姿がとにかく愛おしい。布団の上をゴロゴロと転がり、「えへへ……来て」と、手を差しのべ挿入を待つ顔や、フワフワの美巨乳を揺らしながら、「はぁはぁ」と吐息を漏らす乙女チックなアクメなど、演出を感じさせない自然体の反応が、AVを観ていることすら忘れさせ、本気でドキドキさせてくれるのだ。

 セックスが終わり、夜の街に出た2人は、街のイルミネーションを見て、はしゃぎながら本来の距離を取り戻していく。そして、再び部屋に戻ると、また温かなコタツに入り、今度は熱っぽい目で見つめ合いながら、2人きりの鍋パーティーを始めていく。

「前はね、好きって言葉言えなかったけど、今は言えるよ。大好き……聞いてた?」

 そうして、2度目のセックスを仕掛けたのは綾ちゃんの方。限られた時間を惜しむように、パジャマのままで抱きつき、激しくもつれ合っていく。

 いつもそうなのだが、「癒らし。」を観ると猛烈に恋がしたくなる。ある意味、罪作りな作品だ。
(AV評:文月みほ)

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◆メーカー:◆品番:PSD+390◆時間:120分◆価格:オープン価格