iphoneアプリ開発までガチでやっちゃう

マルチすぎるアイドル・天野あい降臨! アラーキーにも認められた才能とは

天野あいとは?

amano_01.jpg30歳には見えないロリカワフェイスの”あいタソ”

 グラビアアイドル・天野あい。今年8月に『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、11月に『「ぷっ」すま』(テレビ朝日系)に出演し、Google検索ワードランキングで1位になるなど、秘かに人気急上昇中のタレントだ。『笑っていいとも!』では、ルックスからはにわかに信じがたい30歳という年齢まで公表し、現在に至るまで、コスプレイヤー、同人作家、アイドルを経験。カメラマン・CGアーティストの「Julie」、アイドルグループ「Cutie Pai」のVJ「eyeタソ」という名義も持っている。それでも「グラビアアイドル」として単体での活動をやめない彼女は、どこか「アイドル」という自分自身の存在を俯瞰で見ているような印象を受ける。天野あいは、冷静に、自分自身を素材として見ながら活動しているのではないだろうか?

──まず最初に、「天野あい」「Julie」「eyeタソ」と、3つの名義を使い分けるのは、ご自身で混乱しませんか?

天野 一応、微妙にキャラの使い分けはあるんですよ。「天野あい」は、男性の妄想の対象としていただける女性であるように心掛けているつもりです。「Julie」は、クリエイティブな活動をしている自分。「eyeタソ」は、キューティーランドという不思議な国に存在している機械でできたお人形という設定なので、ちょっと喋り方をぎこちなくしたりとか演出はしてます(笑)。

──先ほどマネジャーさんから「活動を把握しきれない」と伺ったのですが。

天野 写真の仕事となると、海外で引き受けている連載もあるので、海外のエージェントに間に入ってもらってるんです。そこは自分のアート活動だから自由にやっていいよ、って、事務所の許可をいただいています。

──「Julie」名義でやっているとはいえ、そういう多彩な活動が、もう「天野あい」というひとつのコンテンツになっていますよね。『笑っていいとも!』でも、EXILEの写真を撮影したことがあって、フィギュアを200体持っていて、ドイツで出版された作品集『SAMURAI GIRL』が120万部売れた女の子、という紹介のされ方でした。

天野 そんなふうに紹介されると、大袈裟すぎるような気がします! 私って、たぶんオタク気質なんですよ。だから「ちょっとだけハマる」ということができなくて、興味を持ったら、もうとことんまでやっちゃうんですよ。一言で言うとカオスです!

──カオス! 非常に納得いきますね。『笑っていいとも!』では、30歳という年齢も公表されたじゃないですか。あれは抵抗がなかったですか?

amano_02.jpg黒目がちな瞳がキュート


天野 実はすごく悩んだんですよ。今までは非公開にしていたので。不思議な存在になりたいと思ってたんです。目指しているところが魔法少女とかだったので(笑)。でも、せっかく『いいとも!』だし、正念場だと思って、賭けのつもりで正直な年齢を言ったんですよ。そしたら「ええーっ!」って、「意外!」という意味でお客さんに言ってもらえたので、いい方向に転んだなと思って。

──勝負に勝った感じがしますね。そもそも天野さんは、10代の頃からアイドルグループの一員として活動されていました。そのときのデビューのきっかけはなんだったのでしょう?

天野 幼少時、大阪でファッションモデルの事務所に所属していたんです。子供の時はそれなりに仕事があったんですよ。でも、ある程度年齢がいくと仕事がパタっとなくなったんです。やっぱり16、7歳になってくると、身長が高いモデル体型の子の需要が高くなって、私はそうはなれなかった。そんなときに事務所の人が出してくれた案件の中に雑誌のグラビアの仕事があって、水着で出たらアイドル系の仕事がポツポツと来るようになりました。私自身も被写体の仕事をするなら、こっちのほうがいいと思って。で、自分でもいろんな企画オーディションに応募してたら、東京の事務所にスカウトしてもらったんです。そこから少し、アイドルグループとして活動をしてました。

──でも、いったん、グループは解散してしまう。

天野 はい。私の場合、ホントにギリギリ10代のときからアイドルをやったので、もうそれしかできない自分になりつつあったんですよ。だから、アイドルをやめて、どうしよう……って、葛藤しましたね。そこでタレント活動を一回やめたんです。

カメラマンJulie誕生秘話

──その後にイタリアに行かれたそうですが、それはどういう経緯だったんでしょうか?

天野 趣味で一眼レフカメラを使った写真を撮っていたんですけど、アイドルをやめたときに、お世話になっていたマネジャーさんに「写真で食べていったら?」とアドバイスをされたんです。それで、カメラマンとして初めて、企画持ち込みで「FLASH」(光文社)でグラビアを撮りました。そうした仕事をする一方で、個人的な作品としての写真も撮りためていて、たまたま知り合ったイタリアの出版社の方に『SAMURAI GIRL』の元になる作品群を見てもらえたんです。で、「このテイストだったら海外で写真集を出せる」と誘われたんですが、ただ、「海外で受ける日本観と、日本人が考える海外で受けそうな日本観にギャップがある。一枚のウケる写真があるだけでは150ページの写真集は作れないので、外国人がいいと思う日本観を学んでほしい」と言われたので、「じゃあ編集部に住み込みで働かせてください」と頼んで……若かったんですよ、すべてを失っていたんで(苦笑)。それから2年くらい、日伊を行き来してました。

──そしてカメラマンのJulieとして帰ってきたのは、2005年頃。帰国して、「夕刊フジ」(産経新聞社)と「SANKEI EXPRESS」(同)で連載を始められるわけですけど、どういうツテでああいう大きな媒体で仕事をすることになったのでしょう?

天野 こんな突っ込んで聞かれるの初めてです(笑)。私、少しだけアラーキー(荒木経惟)さんの付き人をさせてもらってたんですよ。

──ええー!

天野 イタリアに行く前のことですけど、アラーキーさんがファッション雑誌上でモデル募集をしていて、私がそれに応募したのが出会いです。モデルとしては合格しなかったんですけど、最終選考まで残って、アラーキーさんがオーディション会場の控え室に呼んでくださったんですよ。そこで私の写真作品を見ていただいて、初めてプロのカメラマンの人に「これはいい」って誉めてもらえたんです。おまけに「君、面白いから周りをウロウロしてみるか」、って声をかけていただいて。その頃に、「SANKEI EXPRESS」の方を紹介してくださって、帰国後に連載をやらせてもらえることになりました。

amano_03.jpgまるで小動物のような”あいタソ”

──そうやってカメラマンとしての仕事を増やしながら、一方では天野あいとして、またアイドル活動を始められたわけですよね。一度は挫折したアイドルという道へ、なぜまた?

天野 カメラマンといっても、最初の頃は食べていけるほど仕事があるわけではなくて。とりあえず、バイトでイベントコンパニオンを始めたんです。そのうちに、イベントだけでなく撮影会も週に二回程度やるようになったんですが、私のファンの方がネットに写真をアップしてくださったのを見た芸能事務所の方が、私にmixi経由で「DVDを出さないか」ってメッセージをくださったんですよ。それがきっかけで、東京でもグラビア活動が始まって、07年に上京しました。

──天野さんの場合は、常にいろんなことを並行してやられてますよね。今年は5月にCutie Paiに加入して、10月からはJuliehallyという名義で音楽活動をされている。またこうやってCutie Paiみたいなアイドル活動をやろうと思ったのはなぜでしょう?

天野 実はCutie Paiは、以前のアイドル時代に一緒のステージに立ったことがあったんです。その頃から気になる存在ではあったんですよ。あの子たちはアイドルなのに自分たちをセルフ・プロデュースして、メガネの子(まゆちゃん)が音楽を作ってるらしい、って。そんなCutie Paiに憧れもありました。今年になって、とある仕事をきっかけに「Cutie Paiのメンバーを募集してるんだけどどう?」と声をかけてもらって、加入に至りました。

──かつてアイドルを挫折した人が、またアイドルをやる、っていうのは結構勇気がいることだと思うのですが、いかがですか?

天野 アイドルをやめたときは、夢がひとつダメになったっていう現実を受け入れて、寂しさを感じていました。だけど、あれから何年も経って、気持ちを新たにまた挑戦できるなんて、ありがたいことだなって思えたんです。あの時は若さを武器にやってたから、年老いた自分はもう売り物にならないと思ってたんですよ。この年になっても仕事をさせてもらえるなんて、本当にありがたいことです。

──今はアイドル稼業と並行して写真作品も作られているわけですが、天野さんの写真は、オタク的な猥雑さやガジェット感を強調しながら、一方でモデルの女の子のエロスを容赦なく切り取っていますよね。その視線はどこから?

天野 「女の子が大好き」だから? っていうか……私、実はそんなに写真好きじゃないんですよ。

──ちょ!(笑)。

天野 デザインとかが好きなんですよ。大学は中退しちゃったんですけど、デザイン科に通ってて。でも才能がないなって思って写真の方に行ったんですけど、私が惹かれる写真は、どこかエロティックな部分がある写真。男性的な感性があるんじゃないですかね。

──写真としてではなく、デザイン性の高い創作物としての写真作品ということでしょうか。「Pixle Love」のようなiPhoneのアプリ開発もされていますが、「コスプレイ@侍ガール」というアプリでは、被写体としてピチピチの衣装で土下座をしてバックショットで撮られる、といった大胆なポージングを披露していますよね。自分をエロスの対象として客観的に見ている部分はあるんでしょうか?

天野 客観性はありますね。ありきたりなアイドルで通用する年齢でもないですし、そういうアイドルはもう昔に経験させていただいたので、やっぱり面白いことができたらいいなって。

──11月21日に発売されたDVD「あいちゃんねる」も、ジャケットが大変ハッスルした感じですよね。被写体になるときも自分でポーズのアイデアをガンガン出していくのですか?

天野 カメラマンさんによりますね。今回はDVDのムービーのカメラマンさんは、あまり「こうして、ああして」と指示しない方だったので、自然に動いて魅力を引き出してもらう感じでした。私はセルフ・プロデュースさせてもらってる部分も多いんですけど、「作られていく自分」もすごく好きで、それもやっぱりクリエイティブだと思いますね。

──プロデュースする部分とプロデュースされる部分と、両方の快感を知ってるのが天野あいさんなんですね。今後の活動も期待してます!

amano_04.jpgかわいすぎるぜ、あいタソ!!

(取材・文=宗像明将)

◆天野あい

1979年6月6日生まれ。4作目となる最新DVD『あいちゃんねる』(トリコ)が発売中。11月26~29日にスウェーデンにて開催された世界最大のLANパーティー(ゲームイベント)「Dreamhack」にアーティスト「JulieHally」として参加。その模様はニコニコ生放送でライブ中継された。 

◆Julieギャラリー※画像をクリックすると拡大されます。


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