『監禁中出し飼育』板垣あずさ

 本当に欲しいものは金では買えないものだ。だったら力づくで奪うしかないのか? 今日紹介するのは、そんな切ない疑問に胸がキュンとなる作品である。

 可愛いけれどやんちゃな女の子。きっと一人の男の腕の中で大人しくいいなりになんてならないのだろう。それが板垣あずさちゃんに抱いていたイメージだ。見知らぬ男にさらわれ、夏服のまま地下に閉じ込められ膝をかかえて震えるあずさちゃんはまるで連れ去られた仔猫のよう。野良猫とは違う気品にあふれていて、どんなに手荒く犯されても無様に暴れることはない。そんな凛とした美しさが、逆にもっと汚したい、めちゃくちゃにしてみたいという感情を持たせてしまう。強引にトマトを口に押し込まれ真っ赤な汁でドロドロになっても、強引に押しこまれた男の肉棒から流れ堕ちる精液でヌルヌルになっても、彼女は近寄りがたいほどの美しさで男を圧倒する。それはやんちゃな女の子ではなかった。もっと毅然とした一人の女。身悶えるほどエロティックで、今にも折れそうな華奢な肉体さえ男心をえぐる武器のように輝いてみえる。

 そんな彼女が2度目のセックスの時、たたみかける快感にかすかな喘ぎ声を漏らす。屈辱で噛みしめた唇から洩れた一瞬の「あぅん」というその声を聞いたとき、なぜか「よっしゃ~」とガッツポーズをとりたくなった。勿論、彼女を独占できたわけでもないし、屈服させたわけでもない。しかし、やり込められた彼女が見せた一瞬の弱さが、たまらなく愛おしく感じたのだ。

 その後、彼女は逃亡を試みるも失敗。複数の男たちの慰み者になってしまうのだが、それでもやはり泣きも喚きもしなかった。唇を噛んで言葉を発することもない。その健気さがまた麗しく映る。

 強引なセックスの果てに力なく横たわる彼女の目は、それでもなお男をはねつける力に満ちていた。本当に欲しいものは金では買えない。ましてや強引に奪えるものではない。遠くから眺めてこそ価値があるのだろう。その瞳に浮かぶ頑なさは、一瞬感じた彼女への親近感をすぐさま遠のかせた。板垣あずさという女性の美しさを誰も独り占めすることはできないのだ。
(AV評:文月みほ)

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◆メーカー:SODクリエイト◆品番:STAR-183◆時間:130分◆価格:2980円