【緊急インタビュー連載】アフターコロナ:アダルト業界の未来#4 アダルトメディア研究家・安田理央編

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安田氏が原作を手掛けたリアルで赤裸々なAV業界の舞台裏を描いたコミック『たちまち はだかの業界物語』

 

――ネット配信はいまのように収録時間が180分とか240分はキツくないですか?

安田:ネット配信になり収録時間が短くなると思ったのですが、VR作品も長時間ばかりになってきましたし、意外とそうでもないんです。

――これまでVRは60分作品が多かったですよね。

安田:いまはもっと長い時間の作品が出てきています。長時間の方がお得感がありますから。

――AVはこういう社会変化があってもなかなか作品も体制も変わらないんですか?

安田:変わるはずなんですが、実感として意外と変わらないです。しかし、ソフトはここ数年、ネット配信に移行していたので、これで一気に進む感じがします。

――外出自粛要請も関係ありますか?

安田:それもありますが、AVショップの数がここで一気に減ると思います。最近、AVショップはイベント時、DVDを売ることに頼っていたんです。イベントがこの1、2か月なくなったので、かなり厳しくなったのではないでしょうか。

 元々、苦しいところがバタッと潰れていくと可能性があります。ショップが減れば、当然、DVDの売り上げも減ります。コスト的にDVDを作らない方がいい話もあるので、かなりDVD離れが進むのではないでしょうか。

――DVDは手軽ですが、ネット配信だと見られる人が制限される可能性はないですか?

安田:ネットに手を出さなかった人が、手を出すようになるかもしれなません。U-NEXTの動きで、いわゆるサブスクリプション(定額制)が広がる可能性があります。いままでのアダルト配信サイトはサブスクリプションにあまり力を入れていないんです。

 新作は半年間ネット配信に出さない慣例ですから。FANZA以外のネット配信はFANZA系列のAV作品を扱っていないし、ユーザーが満足できない部分があったのが、ここで潮目が変わると、また違ってくるかもしれません。

――U-NEXTはAV業界と違う業界から参入したから、これまでの慣例をなくすことができるんですか?

安田:自社で作っているレーベルがあるからすぐに新作を出せるんです。だから、サブスクリプションでも新作が見られると強いです。あとAmazonでも、U-NEXTのアダルト部門であるH-NEXTの視聴コード販売を取り扱うようになったのは大きいです。Amazonが入り口となると信頼感もありますから。ただ、やはりFANZA系列とソフト・オン・デマンド系列の作品が見られないのは残念ですが。

――そうなると今後はU-NEXTの動向がAV業界にも影響を拡大していきますか?

安田:そうなると思います。今後はサブスクリプション化が進むかもしれなので興味深いです。

――安田さん個人はAVのサブスクリプションに月額いくらまで払っていいと思いますか?

安田:2,000円くらいです。月に2、3本見れば元は取れますので、割とお得なんです。

――ネット配信が進むことは若干、未来が見えますね。

安田:でも、販売サイトで新作が売れなくなるとメーカー側の売り上げは減ると思います。

――この企画でインタビューをしたAVプロデューサーがネット配信は新作同士の勝負ではなく、旧作との勝負になると言っていました。旧作が過激だと、新作よりも旧作が売れると。その可能性はありますか?

安田:そうは言っても、実際にユーザーは新作が好きです。

――新作即配信は今後の鍵ですね。新型コロナの影響がなくても、おのずとサブスクリプションに移行しますか?

安田:タイミング的にネット配信にこれで一気に振れると思ったところ、追い風になると思います。そうなった場合、FANZA一強が崩れる可能性はあります。

――業界戦力図が変わる可能性があるんですね。

安田:そうです。

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