【緊急インタビュー連載】アフターコロナ:アダルト業界の未来#3 ライター&イベンター・大坪ケムタ編

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感染拡大前、最後に行われたアダルト系のイベント。2月中旬は日本中がまだ安心していた時期だった

 

――アイドル、アダルト含めてイベント出演者の反応はどうでしたか?

大坪:2月24日のイベントではショップイベントが中止になり、女優さんが稼働するところがないので「出たい」って感じでした。事務所的にもむしろありがたい感じでした。

――それは意外な反応です。

大坪:事務所よりもAVメーカーの方が対応は早かったです。坂道グループも早くから握手会を中止していたので、メジャーほど対応が早かったです。

――メージャーアイドルシーンはどの時期でイベント中止の足並みを揃えたのですか?

大坪:AKBグループや坂道グループは2月の時点で握手会中止を徐々にしていきました。

――逆に地下アイドルはチェキ撮影や物販で日銭を稼がないとならないので、いまは相当困っていますか?

大坪:もう中止から2か月くらいになりますから。元々バイトをしている子が多くて、地下アイドル一本で食っている子は少ないんです。だから、バイトで食べていると思いたいです。でも、ライブがないと収入がないので、オンラインチェキ会とかやっている子もいます。私もアイドル系のイベント事情を取材したのですが、物販が過去最大に売れたとは聞きます。

――ネット通販ですか?

大坪:そうです。こういう時期だからオタクが支えるんです。

――美しいですね(笑)。

大坪:あとはいままで都内に来られなかった地方ファンもネット物販でお金を使うので、アイドルグループによってはいつもより売れたという話を聞きます。

――地下アイドル界は壊滅的な状況でもないですか?

大坪:地下アイドルは大変には大変ですが、活動における固定の支出はそこまで多くはないので、壊滅的とまでではないかのかもしれません。これが2か月、3か月になると活動ができなくなるので、辞める子もいるでしょう。実際にこの状況で卒業の子も出てきています。売上げ的なこともあるんですが、十代の女の子からすると活動できないことをしていてもしょうがないっていうこともあるんじゃないですか。

――見切ってしまう?

大坪:見切ってしまうというか、それは仕方ないです。そろそろ、そういう子が増えてきてもおかしくはないです。

――知り合いのアイドルでそういう形で辞めた子はいますか?

大坪:近いアイドルにはいないけど、卒業発表した話も若干、聞くようになってきました。所属していてもお金がもらえるわけではないので、それなら辞めてしまおうということです。

――運営側の話になると、ライブハウスは家賃がいちばんお金がかかるんですか?

大坪:家賃と社員がいれば、その経費です。

――下北沢や秋葉原では相場も違いますが、月の固定費は2、300万円くらいですか?

大坪:そのくらいでしょう。某ライブハウスは系列だけで毎月、固定費が数千万円レベルとのことです。

――ライブハウスは維持費を稼ぐためにどういう対策をしているんですか?

大坪:配信をやるところが増えています。YouTubeの会員を増やそうとみんな頑張っています。飲食店はテイクアウトでご飯を出せるけど、ライブハウスはそれができないですから。

――大坪さん個人はどう対処していますか?

大坪:イベントに関してはライブが無理なので、配信を今後やっていく感じでいま打診しています。ZOOM(Web会議サービスソフト)を使えば自宅からも配信ができるので、出演者全員が家にいた状態での有料配信企画を進めています。ただこれも大変で、アイドルも無料でツイキャスなどをやっている人が多いんですが、無料でやられると有料配信が弱くなるんです。

――AV女優もツイキャスを個人でやっているから、それが普通になると有料配信は難しいですよね。

大坪:そうなんです。みんなタダにしちゃうとキツくなる。日常化するとお金を取ることが難しくなります。

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