2018年は焼け野原になるライヴ・アイドル・シーンを覚悟しよう~2017年アイドル・ポップス・ベスト10


■3位:清竜人25「25▽」(※▽=白ハートマーク) 
 

161231_band.jpg※画像:清竜人25「WIFE」トイズファクトリー

 
 清竜人25の「25▽」は、本来は2016年11月20日に開催されたZepp Tokyoでのワンマンライヴで解散を発表するために、清竜人が作詞作曲した楽曲だった。当時の通称は「解散ソング」。当日は関係者にセットリストが配布されたが、それを落としても拾ったファンに気づかれないよう、ただ「新曲」とだけ書かれている徹底ぶりだった。

 橋本由香利による編曲もドリーミーな「25▽」で描かれているのは、清竜人25というグループが見せた夢そのものだった。

 「25▽」は解散発表のためだけに制作されたので、二度と歌わないのではないかとメンバーは話していた。しかし、2017年のラストツアー『清 竜人25“メーク▽ラブ▽ツアー”」、そして2017年6月17日の「清 竜人25“ラスト▽コンサート”』でも歌われていくことになる。アルバム「WIFE」にも収録された。

 2017年6月17日の解散コンサートは、事前のアナウンス通りすべての楽曲が歌われ、4時間にも及んだ。そして、終演とともに客電がつく、清竜人による完璧な総合演出。アンコールを求める人はいなかった。清竜人25はひとつの芸術としてその終わりを迎えたし、その道筋を作ったのが「25▽」だったのだ。

 

 
■4位:レッツポコポコ「くらげくらげ」 
 

161231_band.jpg※画像:レッツポコポコ「ぼくらの物語 / くらげくらげ」YOU’LL RECORDS

 
 ゆるめるモ!のプロデューサーである田家大知が多くの作詞を手がけ、ゆるめるモ!のメンバーであるちーぼう(千歳ちの)も移籍したものの、田家大知がプロデューサーではなかったレッツポコポコは、難しい立ち位置にいたグループであったと思う。

 しかし、そういうグループであったからこそ、SSQのヤシロユウキが作編曲した「くらげくらげ」のような楽曲は生まれた。1980年代のアイドル歌謡をオマージュしてきたレッツポコポコは、ヤシロユウキが巧みに音階を操った「くらげくらげ」で新しい新しい扉をあけたのだ。シングル「ぼくらの物語 / くらげくらげ」収録。

 レッツポコポコは、2018年1月21日に解散することを、2017年11月21日に発表した。最後の「くらげくらげ」を聴きに、会場である渋谷duo MUSIC EXCHANGEへ足を運びたい。

 

 
■5位:バンドじゃないもん!「ピンヒール」 
 

161231_band.jpg※画像:バンドじゃないもん!「完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を▼」ポニーキャニオン

 
 バンドじゃないもん!の「完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を▼」(▼=黒ハートマーク)の収録曲だが、実は私がこの楽曲の魅力に目覚めたのは、2017年6月23日の「恋汐りんご2017生誕記念セカンドソロコンサート『ねえ、恋ってどんないろ…?~the one and only heroine~』」でのことだった。通常6人で歌うこの楽曲を、最後のシャウトまで含めて、恋汐りんごがひとりで歌いきったのである。

 「ピンヒール」は、アカシックの理姫作詞、奥脇達也作詞。編曲はTSUCHIEと奥脇達也によるものだ。

 優れた作詞家である理姫の描く、愛する男性への叶わぬ思いは自嘲や諦観すら含めて生々しく、バンドじゃないもん!というグループに新しい魅力を与えることになった。

 

men's Pick Up