“心の勃起”を基準に審査するイベント『勃−1(タチワン)グランプリ』! 欲望のスペシャリストたちの煮え滾るエロス


 次に登場したのは、陵辱モノを得意とする犬神涼監督。もともとはスカトロをメインで撮っていたということで、久しぶりのスカトロ作品を撮影、満を持しての参加となった。こちらは先ほどとは打って変わって、男優×女優の完全フィクションもの。会場の人々とスクリーンを通してスカトロAVを共有するという、貴重な体験になったことは言うまでもない。

 3人目はSM界の巨匠•桜田伝次郎。彼のSMショーにもよく出演しているM女モデルを撮影したものなのだが、楽器が得意ということでトランペットを吹きながら縄で縛られていく映像に、その原体験を語った独白の音声を重ねた一作。「Mの人々にはその背景にそれぞれの理由があるから、その一部を紹介できれば」と一言。SM界の重鎮らしい作品であった。

 そして前回、前々回と2連続優勝、3連覇を懸けた雷神監督の登場。自身のキャラクターも相まって、毎回妙な化学変化の作品で会場を湧かせている彼だが、今回も凄かった…! 主演女優の所属するプロダクションとの契約ギリギリまで、精神的にリンチしていく『インタビューリンチ』という手法を用いて、商業作品にもなっているものを撮り下ろしでの参加。最初は目の前で男性器を触りながら「うんちは1日何回するの?」など失礼すぎる質問をぶつけてイライラさせていくのだが、後半になるにつれて、対応に慣れてきた女優の掌で転がされるという情けない状態に。毎度「ジャズを感じる」と評される彼の作品であるが、今回もまたこれまでに負けず劣らずの体当たり加減が十分に発揮されたものとなっていた。

 

20161228maaya04.jpg写真左・3連覇を狙う雷神監督

 
 5人目の麒麟監督は持ち前のポップでわかりやすい作風でありながら、当大会において毎回悔しい思いをしている一人である。今回はその屈辱を晴らすべく、今までに撮ってきたなかでも一番良い表情で「ごっくん」するという女優を主演においての出場。上映後、ネタ集めも兼ねてメモを取りながらMCをしていた知るかバカうどん先生より「溢れたザーメンを『私の精子!』と言って、床を舐めるシーンが見たかった…!」と鋭いコメントが飛ぶ場面も。大会のルールである5分間の尺に抑えるために敢えてカットしたということで、本業とは違った技術を求められることが出演陣にとって、いかに枷になっているのかが露呈した瞬間であった。

 6人目はプロレスラーや格闘家としての活躍も目覚しいタノムサク鳥羽監督。彼もまたスタイリッシュで伝わりやすい手法を得意としながら、麒麟監督同様に勃−1優勝未経験者。今回はどうにか優勝を勝ち取るために考え抜いた末、頭より先に体が動いたということで、会場から驚きの歓声があがるような作品を上映。私も思わず「すごい…!」と呟いてしまったのだが、口外禁止ということでここには書くことができないことが悔やまれる。

 そして最後、最初に登場した井戸監督と同じく毎回女装モノで出場している竿師•ISEEI。今年66歳になった彼は65歳を節目に何か特別な作品を撮りたかったとのことで、長年ずっと思いを寄せていた女優とのハメ撮りを上映。「この歳になると相手が感じてくれないと興奮できなくて。だけど今、一番セクシーだと感じる女優さんとならできる気がして彼女を選びました」とまっすぐな瞳で語る姿が印象的だった。そのあまりにもピュアすぎる映像に、上映後、MCを務めていた姫乃たま氏が「理由はわからないけど涙が止まらなくて…」と突如泣いてしまう珍事も発生。これぞ勃−1のテーマでもある「(心の)勃起」が究極的に表れた今大会のハイライトだったのではないだろうか。単なる勃起を目的としたAVコンペではなく、どれだけ観客の心に響くか、それこそがこのイベントの醍醐味なのである。最後にふさわしく、その趣旨に立ち返る一場面となった。

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