【世界風俗探訪】ロシア、ヒッチハイク式売春の罠と一発大逆転!


 翌日、本業の仕事が無事に終わり、社長から「モスクワの女はどうだった?」と、グレゴリーを通じて聞かれた。私はその場を和ませる意味で、昨日の失敗談を面白おかしく話した。案の定、その場にいたほかの社員やグレゴリーは大爆笑であった。

 しかし、ひとりだけ、社長だけは笑っていなかった。付き合いで笑っているように見えなくもないが、少なくとも目は笑っていなかったのだ。そして、「どこのホテルに泊まってるの?」と聞いてきた。

 その晩のことだ。社長やグレゴリーと食事し部屋に戻ってくると、ドアをノックする音がした。恐る恐るドアを開けると、そこには妖精のような美しさを放つひとりの女性が立っていた。コート姿の彼女は、まるで映画に出てくる美人スパイのようだとも思った。

 昨日の一件もあり、私は瞬間的に“殺される”と思った。

 彼女はコートの懐に手を入れた。映画であれば拳銃が出てくるところだが、彼女の手に握られていたのは封筒だった。

 その封筒は、今回の仕事でお世話になっている会社のもので、社長のサインがあった。中を開けてみると、そこには約10万円分の現金と、「シャチョウカラノ、オワビデス」とグレゴリーが書いたと思われるメモが入っていた。

 そして、妖精のようなスパイのような美女は、「ボスからのミッションです」と部屋に侵入し、キスしてきた。さらに、そのままベッドに…。

 裸になった彼女は、私が若いころに見た洋物のビニ本から飛び出したような、華奢ながらもバストやヒップが出た、“お見事!”としか言いようのないボディだった。

 彼女のルックス、パーフェクトなプロポーション、アソコの締まり具合が相成って、個人的に史上最高ともいえる情事を楽しめた。しかも、抜かずの2発から休憩を挟んで3度の絶頂を迎えることになった。

 翌朝、帰国する前にオフィスへ寄り社長にお礼を言ったが、ニッコリと笑うだけであった。空港までの車中でグレゴリーは、「詳しくは言えないけど、あのホテルの周辺は社長の縄張りなんですよ…」と教えてくれた。佇まいといい、縄張りというキーワードといい、思い浮かんだのは…。

 モスクワとの仕事は数年後にフェードアウトする形で終わったが、風のウワサによれば、その社長は政治家になったのだとか。いずれにしても、アチラの世界に顔が利く人物であったことは間違いなく、20年経った今でもボスの計らいに感謝するのみだ。
(文=美田三太)

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