82歳で5人の愛人を囲うエロ老人、息子に逆襲され…


 この女性には、老人とは別の男性との間にできた息子がいた。その息子は、母親が老人からとんでもない扱いを受けていることを当然ながら知っていたが、生活の面倒を見てもらっているということもあり、辛抱に辛抱を重ねてきた。

 ところが、母親が捨てられるのを見た彼は、もう我慢も限界だった。激怒した彼は、斧で老人の頭部を叩き割ったのである。

 老人は大怪我を負ったものの、一命はとりとめた。まさに悪運強しといったところであろう。

 どんなに悪逆無道の輩だからといって、暴行を加えてよいわけではない。女性の息子の心情は理解できるが、犯行はいけないことである。

 一方、老人の所業だが、百歩譲って、自らの責任と経済的余力でセックスパートナーを確保するのは許容されることがあるのかもしれない。だが、用がなくなったと一方的に決めつけて、さんざん世話になった女性をゴミクズのように放り出してしまうのは、何ら問題のない行為であるだろうか。

 たとえ法的に問題がなかろうと、人の道に外れたことをすれば、ただでは済まない、何らかの報いは受けることにもなろうという事件であった。

 ちなみに、ある程度の資産や社会的な地位を有した男性が愛人を囲うことは、以前の日本では非難されるどころか一種のステイタスとして認められる環境があったようだ。

 そうした社会状況に対して、一言を呈した著名人もいる。明治23年(1890)3月23日の記事では、東大の外山正一氏が「廃娼よりも廃妾」と発言している。この時期から、愛人が急激に姿を消していく。
(文=橋本玉泉)

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