ヒカキンらユーチューバーの人気が沸騰…芸能界すら脅かす彼らの勢いはいつまで続く?


「得られる広告費は1回の再生で約0.1円ほど、10万回再生の人気動画でも1万円くらいの収入にしかならず、簡単に稼げるわけではない。しかし、2013年だけで動画の総再生回数3億2000万回を記録したヒカキン氏は広告収入だけで推定3000万円以上の年収。彼は企業CMにも出演し、さらには名指しでPR仕事も請けていますから本来の稼ぎはもっと上。ほかのユーチューバーも合わせれば全体で億単位の市場です。つまり、それだけの広告業界のお金が既存の芸能事務所ではなくユーチューバーに流れているということ。海外では、ゲーム実況動画で年収4億円を稼ぎ出している20代のユーチューバーもいる。もし今後も彼らの広告人気が高まり続ければ業界は大打撃。長年、独自の既得権益を守ってきた芸能界にとっては頭の痛い話でしょう」(IT系ライター)

 ネット広告は成長分野といわれており、ユーチューバー市場は今後ますます発展しそうに思える。だが一方で、この人気も長くは続かないとの指摘もある。

「人気ユーチューバーになると、企業から名指しで商品の宣伝を依頼され、広告費を受け取って動画内で商品レビューをすることがある。また、動画内に商品を紛れ込ませたり、わざとらしく褒めたりといった宣伝方法もあります。また、ヒカキン氏のようにCM出演やイメージキャラクターに起用されることもある。多くのユーチューバーは発言の自由さや正直さがウケているわけですが、そうなるとスポンサーの商品に関しては批判や悪口を言わなくなり、表現も配慮したものになる。結局はテレビ業界と同じ構造になり、人気が出れば出るほどホンネを隠して勢いがしぼんでいくことになりかねない。そんな状況になれば、ユーザーに飽きられてYouTubeバブルも終わってしまうでしょう」(前同)

 従来のメディアにはなかった「自由さ」がユーチューバーの人気を高めたのは間違いないだろう。だが、それも市場がふくらんでいけば変化を迫られることになるかもしれない。それでもユーチューバーたちは生き残るのか、はたまたバブルが弾け飛んでしまうのか、芸能界関係者ならずとも今後の動きがどうなるか注目だ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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