「盲導犬制度」は虐待か? デヴィ夫人、フィフィ、杉本彩ら参戦で芸能界でも議論が巻き起こる


 エジプト人タレントのフィフィ(38)は、2日に自身のTwitterでデヴィ夫人の発言を報じるニュースを引用しつつ「白杖だけで生活する視覚障害者もいるわけで確かに四六時中助け合う社会なら盲導犬は必要ないのかもしれないが、それなら生活を支える家畜の存在も否定なの?実に斬新な意見だよね」と皮肉を交えてツイートした。

 「家畜はいなくてもいい」というネットユーザーからの意見もあったが、それにフィフィは「今も水牛やロバ等と共生する生活を送っている人々がいます。彼らは家族同様に家畜を大切に飼育しています。あなたの発言は先進国から見た視野でしかないかも」と返答。さらに「人間のエゴで殺されているペットがいる社会をまず問題視するべき」とし、盲導犬制度への批判は見当違いであるとの見方を示した。

 また、動物愛護活動家としても知られる女優でタレントの杉本彩(46)は、1日付の自身のブログで「盲導犬の実像が違う形で報道されているのではないか…という危険を感じます」と警鐘を鳴らした。保護活動などを通じて犬の特性を知り尽くしている杉本は、盲導犬が一切ほえなかったという報道に疑問を感じたという。視覚障害者協会の関係者などからも話を聞いた上で「無反応で耐えたとは到底思えない」とし、痛みをこらえる盲導犬という虚像を美化することで「盲導犬は何があっても声を上げないように訓練されている」との誤解を招くと問題提起している。

 これら議論の軸になっているのは「盲導犬は一切ほえないように訓練されている」という報道だ。これが「人間の都合を押し付けている」「虐待ではないか」との意見を呼び起こしている。今回のように刺された場合は分からないが、少なくとも街中で盲導犬が普段ほえている場面を目にすることは全くないため、何かしら特別な訓練を受けているように感じられなくもない。

 これについては、今月1日に『全日本盲導犬使用者の会』が事件を受けて公式サイトで声明を発表しており、それによると「実際にはそのような訓練は現在行われていません。もしもそのような訓練がなされているとするならば それは虐待と捕らえられてもいたしかたないことです」とのこと。盲導犬はボランティアや関係者、使用者から愛情と良質な飼育環境を注がれており、だからこそ「彼らは抑制されることにより声をあげないのではなく、人間を信頼しているからこそ声をあげないのです」と、盲導犬が無闇にほえない理由を説明している。

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