キムタク健在! 月9ドラマ『HERO』高視聴率でフジの復活なるか


 全くブランクを感じさせなかった木村の存在感、前作ファンも新規の視聴者も満足させた脚本、そして愛情あふれるスタッフの演出。「過去の遺産にすがっている」というネガティブなイメージが先行していたが、十分すぎるほどの結果を残したことで業界内の見方も変わってきそうだ。だが、成功したらしたで少なからず問題もあるという。

「過去のヒット作にすがるのは禁断の果実。本来なら、40歳を超えた木村は路線変更を視野に入れなければいけないが、『HERO』が好調なら今後も“何を演じてもキムタク”のままで変わらない。役者として脱皮するタイミングを逃すことになる。また、この視聴率に気を良くした亀山社長の“暴走”がエスカレートするという危惧もフジ社内にある。亀山社長は6月27日付でフジの全社員約1500人の3分の2に当たる1000人の人事異動を断行し、社内に大粛清の嵐が吹き荒れた。亀山社長は今回のように成功したときは自分の手柄とし、失敗すれば社員に責任をなすりつけることが多々ある。そのファシストぶりが強まれば、フジは地獄のような惨状になるでしょう」(前同)

 ドラマの初回視聴率は、キャストの注目度と宣伝の力が大きく本番は2話目から。場合によっては数字が急落する可能性もないとはいえないが、その時の“戦犯”は誰になるのかフジ社員は気が気でないだろう。これを機にフジの復活も見えてきたように思えるが、過去のヒット作の復活では全体的な低視聴率の根本的な解決にはつながらない。

 とはいえ、ここ最近のドラマではダントツの初回視聴率であることは事実。凋落がささやかれていた木村にとっても「キムタム健在」を見せ付けた効果は大きいだろう。だが、それは逆の視点から見れば「これで失敗したら後がない」ともいえる。“最後の切り札”としてドラマを復活させたフジも同様だ。

 果たして『HERO』が木村とフジの復調につながるのかどうか、今後も注目していきたい。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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