号泣会見で不本意な世界デビュー、野々村議員に芸人たちから「笑いのお手本」「教材にしたい」との声


 また、劇団ひとりは「号泣会見を見ながら、いいともが続いてたらなぁ…間違いなく特大号のモノマネにしてたろうなぁ…と私」とTwitterでネタにしそこねたことを悔しがった。実際にネタにした芸人もおり、野々村議員に似ていると話題になったアンガールズの田中卓志は、3日に出演した昼番組『バイキング』(フジテレビ系)で「わたしは~! いってませんよぅ! うぁぁぁ! 皆さんのぉ~、命がけで~アアーッ」とモノマネを披露し、笑いを誘っている。

 X-GUNの西尾季隆はTwitterで「あの号泣した兵庫県議員さん。あそこまで実直に逆ギレ出来るなんてすごいね!しまいには『あなたにはわからないでしょう』的な事を記者さんに言う感じ。あんなの普通の大人じゃ恐くて出来ないよ。すごい。で(最後は)『取り乱してすみません』やろ。ダチョウ倶楽部さんのネタやで。すごい」と、無意識的に笑いのツボを押さえていた野々村議員の会見をプロ目線で分析した。

 伝統芸能の世界からも同じような声が上がっている。落語家の桂春蝶は2日に更新した自身のブログで「これは舞台に出てる人のみ共有できる感覚なのかもしれませんが。これぞ『笑い』です。笑いのお手本はここにあります」と賞賛。続けて「この狂気を演じてできるなら最高の芸人です。嫉妬しちゃいます。こんな風になりたい。でもここまで演るのは無理やと思います。なれど、この域は憧れる。皆さん、この芸人心理を分かっていただけますか?」とまで綴っており、芸人が目指すべき“狂気”を会見から感じ取ったようだ。

 野々村氏が芸人であれば、まさに「究極の笑い」として称えることができたのかもしれない。だが、残念ながら彼は兵庫県の県政を担っているれっきとした地方議員。いくら笑いを褒められたところで県民にしてみれば「恥」でしかなく、その醜態は海を越えて世界に拡散されてしまっている。もし彼に笑いの才能があるのなら、早めにタレントに転職して杉村太蔵の対抗馬として『サンジャポ』あたりに出演したほうが良さそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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