妊活休業の大島美幸、“性別を超越した芸人”としてのスゴさ


 そんな大島は、ダチョウ倶楽部に憧れ、出川哲朗を心から尊敬していると公言する。そしてそれを実践するように、彼女は男の芸人に負けじと服を脱ぎ体を張ってきた。デビュー当初は、女芸人ならではの“女なのに”という面白さがあったが、やがて冒頭に触れた『イッテQ!』でお馴染みになった彼女のリアクションの数々には、性別を超越した面白さが宿っている。それこそが、彼女の愛称が“親方”となった理由だろう。男でも女でもない“親方”というのが妙にしっくりくる。

 かつて『リチャードホール』(フジテレビ系)のコントの中で「おどやん」というオッサンキャラを見事に演じた大島は、今秋公開の映画『福福荘の福ちゃん』でもおっさん役を演じているという。まさに大島は誰もが認める性を越えた芸人といえるだろう。女芸人という枠を超えた“芸人・大島美幸”。

 そんな彼女が、妊娠を目的として芸能活動を休業するのだから、そこには大きな苦悩があったことだろう。まして旦那は天才放送作家・鈴木おさむ(42)である。彼女が一言、子どもはいいから芸人を続けたいと言ったのならば、それを素直に受け止め芸人である妻を愛するに違いない。芸人と放送作家という夫婦にとっては、きっと何が面白いかがもっとも重要なはず。どんな道を選んでも面白がれるはずだ。そんな2人が選んだ妊活という道。いち視聴者としては、彼女たちの願いが叶うように祈るしかない。そして今回、芸人の服を脱ぎ女性という衣装を身にまとった大島が、いつか再び芸人の服を着て、衣装を脱ぎ捨てる姿を楽しみに待ちたい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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