ゴクり!
大きく生唾を飲み込んでから彼女に近づき声をかける。
「こんにちは、モエちゃんかな?」
「は、はい」
「さっき【PC★MAX】(https://pcmax.jp/)で約束させてもらったショーイチだよ」
「あ、は、はい」
「まずは安心して」
「え?」
「この場で断られても、俺は絶対に怒ったりしないからね」
「え?」
「ほら、俺の顔って本当にスケベそうでしょ?」
そう言いながらマスクを下にずらし、こちらの顔を全て見せる。
「だから、ここでゴメンナサイしてもいいんだよ」
「え? ぜ、全然大丈夫です」
「無理してない? 怖がることはないから、正直になっていいんだよ」
「ほ、本当に大丈夫です」
「ありがとう。それじゃあ、このままホテルに向かうってことでいいのかな?」
「は、はい」
「それじゃあ少しおしゃべりしながら向かおうか? 途中で嫌になったらいつでも断っていいんだからね」
「わ、分かりました」
ホテル街に向かって歩き出すふたり。その道中、少しでもモエちゃんに安心してもらうべく、全力で“いい人”アピールを続ける筆者。
「くどいようだけど安心してほしいな」
「え?」
「今の俺が素の俺なんだ。だからホテルでふたりっきりになった途端、性格が変わるとかないからね」
「フフ、ショーイチさんって変わってますね」
「え? そうかな?」
「変ですよぉ。今まで言われたことないんですか?」
「うーん、たしかにあるかも。でも、この性格は生まれつきだから変えようがないんだ」
「変えることないと思います」
「ありがとう。それじゃあ、今日は最初から最後までずっとこのノリで行くって約束するよ」
「フフ、やっぱり変わってます」
「具体的にはどこが?」
「なんだか、女性との距離を縮めるのに慣れてそうですよね? 安心させるのが上手っていうか…」
「それが変わってるってことなの?」
「そうですね。ショーイチさんみたいな人、珍しいから変わって見えます」
「もしかして、少し嫌になっちゃった」
「い、いいえ。嫌にはなってません」
「それなら安心したよ」
そのまま5分ほど歩き、目的地のラブホテル前に到着。最後の念押しをしてからチェックインすることとなった。