待ち合わせ場所に現れたE子ちゃんは写真のまんまだった。マスクで顔が半分隠れていたものの、愛嬌のある顔立ちと言えよう。
いつものノリで話しかけホテルに直行。
チェックインを終え、室内でマスクを外すE子ちゃん。
「本当に、可愛いよ」
それ以外の言葉が出てこなかったので、素直に伝えてみる。
「は、恥ずかしい。そんな真面目な顔で言わないでください」
「嘘なんかじゃないよ。エッチの時に俺は絶対に嘘は言わないって知ってるよね?」
「は、はい」
「だから、今日俺が語る言葉は全部本当の事だと思ってほしいな」
「わ、分かりました」
「じゃ、もう一度言うね。本当に可愛いよ」
「そんな風に言われたら、私本気になっちゃいますよ」
「大歓迎だよ。俺も最初から本気だからね」
恋愛経験がほぼゼロの筆者だが、エッチの際は臭いセリフがスラスラと出てくる。これは長年の出会い系サイト遊びで得たスキルなのかもしれない。
すぐにでもベッドインしたかったが、もう少しおしゃべりを続けることにした。
「旦那さんとはたまにエッチしてるんだよね?」
「は、はい」
「苦痛って書いてたけど、暴力的なエッチなのかな?」
「暴力じゃないんですけど、濡れてもいないのに入れてくるので…」
「なにそれ? そんなのほとんどレイプと同じじゃない?」
「もうずっとそんな感じなので諦めてます」
「愛撫とかはしてくれないの?」
「私がフェラで舐めて、大きくなったらすぐに入れるって感じです」
「旦那さんからの愛撫はゼロなの?」
「はい。以前は愛撫してくれたんですけど、もう何年もないですね」
「それは悲しいね。苦痛に感じてしまうのも分かるよ」
「ですよね。やっぱり変ですよね?」
「うん。だって、エッチって愛を確かめ合うためのものでしょ? でも、E子ちゃんの場合はそこに愛があるとは思えないよ」
「愛を確かめ合う、ですか。そういうのに憧れます」
「今日は俺が全力で愛を込めるからね」
「フフ、ありがとうございます」
スケベ心を押し殺しおしゃべりに徹していたせいだろうか、E子ちゃんとの距離が少し縮まったように思えた。そこで、肝心な事を聞くことにした。