数回のメール交換を経てあっさりと約束が成立。その日の14時に新宿で待ち合わせすることになったのである。
待ち合わせ場所に現れたのは、女優の芳野友美に似た感じのアカリちゃんだった。ちょっと性格がキツそうだが、余裕で愚息がフル勃起するタイプだ。体型はスレンダーだったが、どことなく生活に疲れているような雰囲気もあった。
下衆な笑みを浮かべないように注意しながら近づき、優しい声色で挨拶する。
「こんにちは、アカリちゃんかな?」
「あ、は、はい。そ、そうです」
「さっき【PC★MAX】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「は、はい。こ、こちらこそよろしくお願いします」
ガチガチに緊張している様子のアカリちゃん。まぁ無理もない。彼女にとって初めての出会える系サイト遊びであり、今から見ず知らずの男性とセックスするのだから緊張するのが当然だろう。
まずは彼女の緊張をほぐさなければ話が始まらない。そうでなければお互いが気持ち良くなるというWinWinのセックスなんてできやしないのだから。
「やっぱり緊張しちゃうよね。とりあえずどこかで軽くお茶でもしようか?」
まず“こっちはがっついていませんよ”というアピールのため、お茶することを提案してみた。
「だ、大丈夫です。ゆ、夕方までには帰らなければならないので…」
彼女は人妻なので時間に余裕がない。なにしろ子供がふたりもいるので、家事で忙しいのだろう。
「それじゃあ、ホテルに向かうってことでいいのかな?」
「は、はい。そ、それでお願いします」
「じゃあ、歩きながら話そうか?」
ホテル街に向かって歩きながら様子を窺うことにした。
「ね、実物の俺ってこんな感じだけど、本当に大丈夫?」
マスクをずらして顔を全て見せながら聞いてみることにした。
「だ、大丈夫です。も、貰っていた写真と同じですから」
「ありがとう。そう言ってもらえてほっとしたよ」
「し、ショーイチさんこそ大丈夫なんですか? こんなおばさんで」
「へ? なに言ってるの? アカリちゃんは十分セクシーだよ。いま、俺はすっごくドキドキしてるんだから」
「え?」
「緊張しまくっていて、手汗がさっきから止まらないんだよ」
少しも緊張していなかったが、あえて緊張していることをアピール。
こちらもアカリちゃんと同じくらい緊張していることにして、彼女の気持ちを少しでも和らげようという狙いだ。
「そ、そうなんですか? な、なんだかすごく慣れているように見えました」
「な、慣れてなんかいないよ。アカリちゃんをエスコートするため平気なふりをしてるだけなんだよ」
「そ、そうだったんですか?」
「うん。だから緊張で変なことを口走るかもしれないけど許してね」
そして目的のラブホテルに到着。部屋に入り、まずはソファに座って雑談することからスタート。
ん?
ここで彼女の手の違和感に気づいた。爪は短く整えられていたが、手の甲や指の付け根が少しばかり荒れていた。家事による手荒れだろう。
ギんッ!
生活感あふれるその手を見てムラムラと欲情する。きっと家では“いいお母さん”であろうアカリちゃん。そんな女性をヒーヒー言わせることができたらさぞかし楽しそうだ。