待ち合わせ場所は新宿アルタ前。約束の10分前に筆者が到着すると、既にそれらしき女性が人待ち顔で立っているのを発見した。
彼女がこちらを発見する前に素早く値踏みを行う。顔はよく見えないが、体型は中肉中背といった感じだ。オッパイの大きさにはあまり期待できそうにないが、ほどよくムッチリしていて十分性欲の対象になるだろう。
そのまま真っすぐ彼女に近づき、挨拶を交わすことに。
「お待たせ。ナナエちゃんかな?」
「あ、はい。そうです」
「さっき、【イククル】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
名乗りながら少しだけマスクを下にズラし、顔を全部彼女に見せる。
すると、ナナエちゃんもこちらの真似をしてマスクをズラしてくれた。
うーん、可もなく不可もなし!
彼女の顔は現在の“宇江佐りえ”に似た感じ。地味に見えるがブスでもなく、かといって美人の範疇にも入らない。
ま、デブやブスが幅を利かせている世界なので、贅沢は言ってられない。可もなく不可もなしというのは、充分過ぎるくらいの当たりなのだ。
「実物の俺はこんな感じだけど、大丈夫そうかな?」
「もちろんですよ。ショーイチさんこそ私みたいなオバサンで平気なんですか?」
「え? オバサン? 冗談じゃないよ。俺よりずっと年下なんだから、ただの可愛い子ちゃんとしか思えないよ」
「またまたぁ。本当はガッカリしてるんじゃないですか?」
「あれ? 俺の顔、喜んでいるように見えなかったかな? ガッカリしていたら、すっごく不機嫌そうな顔をしてるはずだよ」
「そうなんですか?」
「うん。俺は正直者のショーちゃんって呼ばれているくらいだから、嘘はつけないんだ」
「は、はぁ」
「だから今日はナナエちゃんがオバサンって言うのを禁止するね」
「え?」
「俺が思ってないんだから、これ以上は言わないでほしいな」
「わ、分かりました」
「それじゃ、行こうか?」
「は、はい」
人懐っこい感じでノリも良いナナエちゃん。道中の世間話も大いに盛り上がった。
「ナナエちゃんは、こういうサイトを使うのって何回目くらいなの?」
「き、今日が初めてなんです」
「え? そうなんだ? その割にはあまり緊張してなさそうだね」
「こ、これでも無理してるんです。ショーイチさんはこういうのに慣れていそうですね」
「お、俺? 俺はこうやって出会うのは5、6回目くらいかな」
本当は数千人の女性と出会っているのだが、それを正直に伝えるわけにはいかない。極端すぎるサバ読みだが、これくらいは許されてもいいはずだ。
「ナナエちゃんはよくこの辺には来るのかな?」
「え、えっとぉ」
「ん? どうかした?」
「あまり“ちゃん”付けで呼ばれることがないのでちょっと恥ずかしいです」
「え? どうして? 俺よりずっと年下なんだから、“ちゃん”付けするのが普通でしょ?」
「もう何年も、何十年もそういう風に呼ばれていないので…」
「そうかぁ。でも、今日は特別ってことで許してほしいな」
「は、はい」
目的地のラブホテルに到着。部屋でふたりきりになった途端、ナナエちゃんの様子がおかしくなった。
ガチガチに緊張した感じとなり、視線がキョロキョロと落ち着かなくなったのである。
いよいよセックスまで秒読み段階となったので、緊張するのも無理はないだろう。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だって。ナナエちゃんの嫌がる事は絶対にしないから安心してほしいな」
「は、はい」
「ね、ナナエちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」
「そ、そんなの恥ずかしくて言えません」
恥ずかしがる彼女を見て、これ以上粘っても時間の無駄だと判断。ナナエちゃんがどんなエッチを望んでいるのか、手探りで探せばいいだけの話だ。