初対面の女性相手にプライバシーに踏み込むような質問は避けるべきだ。だが、何も聞かないというのも変な話である。
相手に警戒心を抱かせないよう細心の注意を払いながら会話を続ける。
「アンリちゃんくらい可愛くて綺麗な女性だったら、相手に困ることなんてないんじゃない?」
「そんなことないですよぉ。もう全くと言っていいくらい出会いの機会がないんです」
「え? もしかして彼氏とかもいないのかな?」
「はい。そういう人がいたらこういうサイト使ったりしませんよ」
「そ、それもそうだね。でも、本当に意外だなぁ。凄くモテそうに見えるよ」
「フフ、ショーイチさんこそモテそうですよ」
「え? こ、この俺が!? それはトンデモない間違いだよ。もう何年も彼女とかいないんだから」
ここでひとつ見栄を張ってしまった。本当は彼女いない歴イコール実年齢なのだが、正直にそれを伝えたらドン引きされるに違いない。
そこで、「もう何年も彼女とかいない」とふんわり濁して伝えたのだ。
「本当ですか? なんだか女性にモテそうな雰囲気ですよ」
「マジでいないって。俺もアンリちゃんと同じで、彼女がいないからこそこういうサイトで遊んでるんだから」
「ふーん、そうなんですかぁ」
こんな会話をしているうちに目的のラブホテルに到着。いつもよりグレードの高いところを選択した。
室内でふたりきりになったところで、もう少し突っ込んだ質問をしてみることに。
「ね、アンリちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」
「えぇっ、そんなの恥ずかしくて言えませんよ」
「え? どうして? 今からふたりでもっと恥ずかしい事をするんだから、平気でしょ?」
「で、でもぉ」
「それに、ほら、どうせエッチするなら少しでも気持ち良くなったほうが得でしょ?」
「そ、それはそうですけど…」
「ね、だから教えてよ」
「じ、実は私、セックスでイケたことがないんです」
「ん? いま、“セックスで”って言ったよね? ということは、オナニーとかではイケるんだ」
「は、はい」
「それはどんなオナニー? 道具を使ったりとか?」
「そ、それは内緒です!」
さすがに初対面の女性にオナニーの方法を聞くのはヤリ過ぎだろう。この辺で引き下がることにした。
「それじゃあ先にシャワー浴びておいでよ。ゆっくり待ってるから、慌てないでいいからね」
「あ、はい」
その後、入れ替わりで筆者もシャワーを浴びる。
既にチンコはギンギンだ。最初からヤル気マックス状態だったが、さらに気合が入っていた。初めてアンリちゃんをイカせた男として、彼女の記憶に残るようなエッチを目指すしかないだろう。
間違ってここで射精しないよう、注意しながらチンコを洗う。
そして部屋に戻り、歯磨きと手洗いを念入りに行う。これで準備万端だ。
「それじゃあ、照明を暗くするね」
率先して室内の灯りをほんの少しだけ暗くする。
「え? もう少し暗くできませんか?」
「これ以上暗くすると何も見えなくなっちゃうよ」
「でも、恥ずかしいです」
「ごめん! 他には一切わがまま言わないから、これだけは勘弁して」
「え?」
「俺は目で興奮するタイプだから、暗くするとエッチできなくなっちゃうんだ」
もちろん大嘘である。だが、イイ女を相手にする場合、室内を暗くするなんてトンデモない話だ。
せっかくの上玉なので、五感全てをフル稼働して楽しみたいのである。
なんとかアンリちゃんに納得してもらい、ようやくベッドインすることになった。