待ち合わせ場所は新宿アルタ前。まだ見ぬフウカちゃんの姿を思い描きながら待っていると、ほぼ時間通りにそれらしき女性が現れた。
彼女の体型はガリガリのヒョロヒョロ。漫画「キン肉マン」の初期レギュラーキャラであるキン骨マンを彷彿とさせる体型だった。
さすがにゲンナリしてしまう。ストライクゾーンの広さには自信のある筆者だが、ギリギリの際どいコースだと言えよう。
だが、こういう悪球をフェアゾーンに打ち返してこそ、経験値となる。
覚悟を決め、ゆっくり彼女へ近づいていく。
マスクのせいで顔はよく分からないが、不健康そうなゲッソリした感じ。毛量が多いのか、茶色の頭髪はこんもり状態。ドン・キホーテで売っているようなパーティーグッズのカツラみたいな具合だ。
お世辞にもセクシーとは言い難い。
しかし、過去に幾度となく筆者の前に立ちはだかったモンスターたちに比べれば可愛いものである。
ヌかずの2発は無理そうだが、10分くらいの休憩を挟めば余裕で連続発射できるレベルだろう。
そんな事を考えていると、フウカちゃんと目があった。マスクを着用しているので伝わるかどうか不明だったが、軽く笑みを浮かべながら挨拶する。
「こんにちは。フウカちゃんだよね?」
「あ。はい。ショーイチさんですか?」
「うん。あ、マスクしてたら分からないかな?」
ここでマスクをズラし、顔をハッキリと見せる。
「さっき送った写真と同じ顔してるでしょ?」
「は、はい。き、今日はよろしくお願いします」
「ここで立ち話もなんだから、歩きながら話そうか?」
ホテル街に向かって歩き始めるふたり。
相手の容姿がイマイチだった場合、筆者は自然と強気にリードしてしまう。もしフられたとしてもダメージが少ないからだ。
「このままホテルに向かうってことでいいかな?」
「は、はい。で、でも、だ、大丈夫ですか?」
「ん? 何が?」
「わ、私でいいですか?」
「もちろんだよ。何か問題でもあるの?」
「い、いいえ。でも、私、こんな感じですし…」
容姿に関するコンプレックスの塊みたいなものである筆者は、すぐにピンときた。どうやら彼女は自身の見た目にコンプレックスを感じているようだ。
彼女が自信のないままだとエッチを楽しめない。とことん気持ち良くなってもらわなければ、こちらも楽しくないからだ。
しかし、お世辞にもセクシーだとは言えない容姿のフウカちゃん。嘘はつきたくないので、見た目を褒めることはしたくない。
そこで「昔好きだった人に似てるんだよね。片思いで終わってたから、今凄く嬉しいんだ」と告げる。
これは決して嘘ではない。10メートルくらい彼女から離れて薄目で見れば、昔好きだった女性に似てなくもない。
すると、「え? そ、そうなんですか?」と嬉しそうにはにかむフウカちゃん。まんざらでもない様子だ。
その後、無難に世間話しながら歩き、目的のホテルに到着。チェックインを終え、室内でふたりきりとなる。
恥ずかしそうにしながらマスクを外すフウカちゃん。
おろっ? 意外とイケるんじゃネ!?
女優の高田万由子を思いっきり細くさせたような感じだった。病弱そうに見えてしまったが、これなら余裕でアタリの部類だ。
「うわっ! 驚いたなぁ」
「え?」
「凄く可愛いね。昔俺が好きだった人よりずっと綺麗だよ」
「そ、そんなに褒めないでください」
「褒めてなんかいないよ。ただ目の前の事実を口にしているだけだよ」
「は、恥ずかしいです」
ここで、セックスレスの事情を聞いてみることにした。
彼女のセックスレス歴は丸8年とのこと。ふたり目の子供を出産して以降、没交渉になったようだ。
このまま女としての喜びを味わえないまま年を取っていくのが怖くなり、出会える系に登録したとのことだった。
恥ずかしそうにしながら語るフウカちゃん。そんな彼女を見ていると、愛おしく思えてしまった。
そして別々にシャワーを浴び、いよいよベッドインする運びとなった。