待ち合わせ場所は新宿アルタ前。ドキドキしながらサヤちゃんを待っていると、ほぼ時間通りに彼女がやって来た。
うむ、悪くないだろう!
サヤちゃんの顔は“タレントの千秋”と“女優の南果歩”を足して2で割ったような感じだった。好き嫌いの別れるタイプの顔だとも言えるが、出会える系サイト遊びにおいてはアタリの部類だ。
体型は少し貧相な感じでオッパイはかなり小さそうな印象だった。お世辞にもセクシーとは言い難いものの、これといった欠点もなさそうだ。
ゆっくり彼女に近づき、声をかける。
「こんばんは、サヤちゃんだよね?」
「あ、はい。ショーイチさん?」
「うん。今日はよろしくね」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」
緊張のせいだろうか。彼女の顔が少し強張っているように見えた。
まず軽くジャブを打ってみることに。
「大丈夫? 詐欺だと思ったりしてない?」
「え?」
「ほら、実物の俺って送った写メより何百倍もエロそうでしょ? 騙されたとか思ってるんじゃない?」
「そ、そんなことないですよ!」
笑みを浮かべて応じてくれるサヤちゃん。この軽いジャブ1発で緊張がかなり解けた様子だった。
「無理しなくていいんだよ。俺の顔がスケベだってことは、誰よりも俺が分かってるんだから」
「ぜ、全然そういう風に見えないですよ。どちらかと言えば、真面目そうな感じですよ」
「あ! 駄目、ダメっ! こういう顔が一番危険なんだよ。もっと警戒しなきゃ」
「き、危険なんですか?」
「うん。サヤちゃんが考えているよりずっとずっとエロいから、覚悟しておいてほしいな」
「フフ、そういう危険なら大歓迎ですよ」
「ま、マジで?」
「はい。だって淡泊な方だったら会う意味がないじゃないですか?」
「た、たしかにその通りだね」
「はい」
「ん? ってことはサヤちゃんも淡泊じゃないんだよね?」
「はい。だからこうやって来たんです」
「そ、それもそうだね。じゃ、とりあえずホテルに向かおうか?」
「はい!」
意外と物怖じしないタイプなのだろう。はっきりと意志表示してくるので、こちらとしては対応が楽だ。
だったら、もう少し突っ込んだ会話にしても大丈夫だろう。ホテルに向かう道中でリサーチすることにした。