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初めまして、マミコさん。
都内の会社員、ショーイチ・39歳です。
先ほど、マミコさんの書き込みを見ました。
私も既婚者なので秘密厳守に関しては安心してください。
今日は休みなので何時でも待ち合わせ可能です。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、是非マミコさんと楽しい時間を過ごしたいと思います。
あ!
お返事を貰えたら私の写メを送りますね。
それを見てもらってからで構わないので、検討してもらえたら嬉しいです。
では!
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嘘をつくのは心苦しいが、既婚者だと偽りながらアプローチする内容だ。
こんなファーストメールを送信したところ、数分ほどで返信が届いた。
家事がひと段落していたであろう時間帯だ。男性からのアプローチを今か今かと待ち構えていたのだろう。
そこからトントン拍子に話が進み、デートの約束が成立した。
待ち合わせ場所は池袋駅地下構内の待ち合わせスポット“イケフクロウ”の銅像前。
最初は北口階段を上がったところで待ち合わせしようと提案したのだが、マミコちゃんが北口をよく知らないとのことでベタな待ち合わせ場所に変えた格好だ。
約束の10分前に到着する筆者。するとサイト経由でマミコちゃんからメールが届いた。
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ごめんなさい。
予定していた電車に乗り遅れたので、5分から7分くらい遅れると思います。
池袋駅に着いたらまた連絡させていただきます。
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遅刻の連絡だった。遅れる時間を律義に“5分から7分”と伝えてきたところに好感を覚える。
すぐに返信。
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大丈夫ですよ。
こちらもまだ到着していないので、ゆっくり待ち合わせ場所に向かいますね。
のんびり待っているので、慌てずに来てください。
では!
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これまた嘘だ。しかし、筆者の中の自分ルールには抵触していないので罪悪感はこれっぽっちもない。人を傷つけない優しい嘘は、全て許されるというのがトコショールールなのだ。
そして7分後、小走りで“イケフクロウ”に近づいてくる女性を発見。
マミコちゃんだと確信した筆者は、マスクをずらして顔を見せる。そしてにっこり微笑む。
すると、マミコちゃんもこちらに気づいたようで、筆者の真似をしてマスクをずらして顔を見せてくれた。
グヌヌヌっ!
ちょいポチャ体型のマミコちゃん。グラビアアイドルの磯山さやかをもう一回りほどふっくらさせた感じだろうか。これならちょいポチャだと自称してもセーフだ。
しかし、顔が微妙過ぎた。ものまねタレントの“みはる”と演歌歌手の“天童よしみ”を足して2で割ったような感じだ。
正直、街ですれ違っても見向きもしないようなタイプだ。
しかし、出会える系サイトで会った場合は話が違ってくる。ヤラせてくれるという大きな“加点ポイント”があるので、ほとんどの女性は満点以上のスコアとなる。
マミコちゃんの場合、満点にはほど遠いが加点ポイントのおかげでギリギリ許容範囲だった。
気持ちを切り替えて優しい笑みを浮かべながら挨拶を交わす。
「こんにちは。マミコちゃんだよね?」
「あ、はい。そうです。遅れちゃってごめんなさい」
「大丈夫だよ。わざわざ遅れる連絡をくれてありがとうね」
「もしかしてだいぶ待たせちゃいましたか?」
「平気だって。煙草を吸って時間を潰してきたから、俺もついさっきここに着いたばかりだよ」
タププん
会話の最中、筆者の目はマミコちゃんの不規則に弾むオッパイに釘付けとなってしまった。
これも大きな“加点ポイント”だ。その揺れ具合からして、サイトで公開していたオッパイ写真が詐欺ではなかったと確信した。
これなら余裕でヤれるだろう。そう納得する。
「それじゃ、ホテルに向かおうか?」
「は、はい。よろしくお願いします」
無難な世間話をしながらホテルに到着。室内に入ったところで突っ込んだ話に切り替える。