【女と男の隔たり】挿入手前までの関係:後編

「大好きな人がいたんだけど…」


 何もできずに横に座っていると、真央がそう口を開いた。


「その人とはセフレみたいな関係で…」


 真央は泣きそうになりながら、声を震わせて話し始めた。僕はとっさに真央の背中を手で撫でた。

 真央はその僕の行為に対して何も言うことなく、言葉を連ねていく。


「それがずっと、しんどかったの」

「うん」


 僕は真央の言葉に相槌を打つことしかできない。


「私は付き合いたかったのに」

「うん」

「セフレにしかなれなかった」

「うん」

「もうあんな思いはしたくないの」

「うん」

「だからごめんなさい…」


 その時、真央の頬にすうっと水滴が一粒流れた。その水滴がポトリと、アソコを抑えていた真央の手の上に落ちる。


「本当は先週、1回だけエッチしてサヨウナラをしようと思ったの」

「うん」

「でも、来なかった」

「うん」

「今日は家で普通にお話しするつもりだったの」

「うん」

「こう感じになっちゃったんだけど…」

「うん」

「やっぱりエッチは、できない」


 それならば、もし僕が今「付き合おう」と言ったらセックスができるのだろうか。では、なぜ付き合っていないのにフェラをしてくれたのだろうか。そんな疑問が頭の中に生まれるも、僕はそれを口にしなかった。いや、口にしたくなかった。なぜなら、目の前で女性が涙を流しているから。泣いている女性を、僕はもうどうこうしたいとは思えない。


「うん、わかったよ。ごめんね、触ろうとして」


 もう真央とエッチをすることはできない。それならばこの家にもう用はない。この家に来たのは真央とエッチをするという目的があったからだ。エッチを目的として来たのにエッチができないという状況の中で、新たな目的に切り替えるのは難しい。

 僕はもう帰ろうと、床に脱ぎ散らかされた自分のズボンを手に取った。すると、いきなり真央が僕のモノをパクリと咥えた。


「えっ」


 真央は小さくなったモノをチューチューと吸う。モノは真央の口の中でみるみる大きくなった。

 突然のフェラに戸惑っていると、真央がモノから口を離した。そして小さくならないようにしっかりと手コキを続けながら、上目遣いで言った。


「エッチはできないから、フェラで許してほしい」


 真央は再びモノを咥え、激しくしゃぶり始めた。

 ジュボジュボと唾液とモノが交わる音がする。真央の口からも唾液が溢れており、僕のモノを濡らしていた。唾液の生温かさに包まれながら、快感の波が徐々に襲ってくる。フェラで許してほしい、と真央は言った。こんなに気持ち良いフェラをやられてエッチをすることができないなんて、拷問のようだなと思った。

 エッチができないのならば、もう射精を我慢する必要はない。もう出そう。


「ごめん、もうイク」


 真央は口の中で受け止めてくれるのか。エッチができないのならばせめて「中」で出す感覚だけ味わいたい。そんな欲望が膨らみ期待していたけれど、真央はモノから口を離した。

 やっぱり口の中はダメか。仕方ない。

 しかし、真央は僕の想像を超えた、不思議なことを口にした。


「射精するとこ見たい」

「えっ」

「出る瞬間って直接見たことないから、見ていい?」


 真央は細い目で僕を見つめた。「見ていい?」と聞きながら、真央の手の動きは早くなっていく。見る気満々じゃないか。真央は僕の言葉を待たずに、さらに手の動きを早める。


「出そう?」


 真央の顔はもう好奇心に満ち溢れていた。これから絶景を見に行くような、ワクワクとした表情だった。

 射精する瞬間を見られるのは特に理由はないけれど、なんだか恥ずかしい。滑稽だからだろうか。見せたいと1ミリも思っていないけど、真央が手コキをやめる気配はない。

 もうどうにでもなれ。エッチはできないのだから。

 そう投げやりになった瞬間、快楽が一気に絶頂を迎えた。精巣でうごめいていた白い生命たちが一気に管を駆け上がり、大量の液体となって外に放出された。


「うわっ、すごい…」


 最初の精子は真上に飛び出し、ちょうど真央の手首あたりに落ちた。残りの精子たちは勢いよく飛び出ることなく、まるでチョコフォンデュの機械から流れ出るチョコレートのように、上からドクドクと溢れ出た。その液体は頬をつたう涙のように流れ、モノを握っている真央の手に落ちた。


「あったかい…」


 ビクビクと溢れ出る精液を、真央はキラキラとした目で見つめていた。

 不思議なことに、僕自身もモノから溢れ出る精液から目が離せなかった。用を足す時のような精子の出方は何度も見たことあるが、真上に発射するのを見るは初めてだった。モノのてっぺんから溢れ、根元まで流れ、真央の手に落ちる精液の軌道は、なぜだか美しいとすら感じた。


「なんかすごかったね」

「うん、すごい。初めて見た」


 真央は机の上に置いてあるティッシュ箱からティッシュを3枚とり、自分の手についた精液を拭いた。そしてモノに垂れている精液も拭いたあと、一度だけモノを根元まで咥え、舌を一回転させた。さらに口をすぼめながら亀頭の方まで登ると、「んぱっ」と口を離した。

 真央の一度だけのお掃除フェラが、満足そうな顔が、今日の終わりを告げていた。

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