【女と男の隔たり】挿入手前までの関係:前編

 重なり合った唇を、優しく絆創膏をはがすように離していく。唇同士が離れると、真央は僕の唇を見つめていた。いつものように目は細かったが、その目はトロンとしていて、僕は目が離せなかった。

 互いに無言のまま、もう一度唇を重ねる。今度は僕だけでなく、真央の方からも顔を近づけてきた。唇同士が触れる。今度は優しく重なるキスではない。隠された互いの気持ちがむき出しになったかのように、唇がぶつかり合う。


「ちゅっ」


 という音が鳴った。その音を皮切りに、僕は真央の上唇を挟む。同じように、真央も僕の下唇を挟んだ。


「あむっ」


 そこから、僕らは互いの唇を味わいあった。唇を挟み、舐め、重ね、ときに撫でるように、ときに性欲をぶつけるように、キスを繰り返す。いつしか、キスをしながらお互いの手を強く握り合っていた。

 新たに出会った女性とする初めてのキスは何よりも興奮する。キスの仕方も、キスの味も全員違う。初めて味わうものは、なんだって興奮する。ただ唇を重ねるというだけなのに、その女性との信頼が生まれてくるような気もしてしまう。

 こんなにも、こんなにも真央に気持ちを持っていかれるなんて、初めて出会った頃は一度も思わなかった。


「キス、しちゃったね」

「うん。しちゃった」


 初めの頃はだた趣味があう、という程度の印象だった。

 別れたばかりで彼女がいなくて暇だから。女の子と遊んでいると自分が価値のある男のように思えるから。そういった理由で、僕は真央と映画を見に行った。

 なのに、ただ手を繋ぐだけで、キスをするだけで、心が奪われていく。どうしても、その先を体験したいと思ってしまう。僕は真央の体に触れたくて触れたくて、たまらなかった。

 そこから僕らは、無言で何度もキスを交わし合った。舌も絡め始め、キスはどんどん深くなっていく。舌の表皮のザラザラした部分が絡まり合うと、胸がキュンと締め付けられ、股間が熱くなった。「はぁはぁ」と呼吸も荒くなり、僕らは公園にいることを忘れ、互いの唇を貪り合った。

 触りたい、触りたい、触りたい。

 欲望が、性欲が、どんどん膨らんでいく。しかし、僕の左手は真央の右手と繋がれており、右手は真央の背中に回されている。だから、真央の背中しか撫でることができない。胸を、触りたいのに。

 すると、股間の上に何かが置かれるような感触があった。真央と激しくキスを交わしているので、何が置かれたかはわからない。その置かれたものは、僕の少し大きくなったモノに沿うように、前後に動いていく。

 それは真央の左手だった。

 僕は驚いた。真央が自ら男性の股間を撫でるような女性だなんて、1ミリも思わなかったからだ。むしろ、キスができているだけで奇跡だと思っている。真央のような大人しそうに見える子が、自らモノを触るなんて1ミリも想像できない。

 むしろ、今まで女性の方からモノを触ってくれた経験なんて、どれくらいあるのだろうか。いつも触って欲しいと待っていたが、その願いが叶うことなんて全くなかった。だから、仕方なく「触って」と言うことが多かった。叶わなかった願いは、叶わなければ叶わないほど膨らんでいく。

 いつかは自らモノを触ってくるような女性と出会いたい。ずっとそう思っていたのだが。

 それがまさか真央になるなんて、思ってもいなかった。真央は目をつぶりながらキスに没頭し、そして僕の固くなったモノをズボンの上から掴むようにシゴいている。


「真央、触りたかったの?」


 僕は思わずキスをやめてそう聞いた。真央は何も言わずトロンとした表情をしている。そして、体をこちらにもたれかかるように寄せて、キスをねだってきた。


「キスしたいの?」


 真央はこくりと頷く。再び深いキスが始まると、真央は繋いでいた手を離して、右手で僕の股間をしごき始めた。

 直接触って欲しい、直接触って欲しい、直接触って欲しい。

 真央の右手が前後するにつられ、ズボンを破きそうなほどモノは大きくなった。それと同時に、早くズボンを脱いでモノを解放し、直接真央に触って欲しいという欲望が膨らんでいく。

 しかし、ここは外、そして初めて来た公園だ。モノを出すにはそれなりのリスクがある。直接触って欲しいという願望を口にすることは、なかなかできなかった。

 けれど、真央に触って欲しい。なんならセックスがしたい。


「ねえ、真央」

「ん?」


 キスをやめても真央は股間を撫で続けている。この状況は確実にセックスまでいけるだろう。そう願いを込めて、問いかける。

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