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ご無沙汰してます、ショーイチさん。
もし良かったら今からどうですか?
前と同じように新宿で会えたらと思ってメールしました。
カスミ
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この時の時刻は18時を少し回ったところだった。会社帰りにフと思いついて連絡してきたのだろう。
どうせカスミちゃんとヤるなら、前回同様ハメ撮りしたかった。しかし、この時は外出中だったのでカメラを持っていなかったのだ。
しばし悩んでしまった。
大急ぎで自宅にカメラを取りに行くべきか? それともカスミちゃんの要望通り「今すぐ」向かうべきか?
苦渋の決断だったが、今回は「今すぐ」を優先することにした。
現在の筆者はスマホユーザーなので、ビデオカメラを持ち歩いていない時でもハメ撮りは可能だ。しかし、この時は型の古いガラケーユーザーだったので、ハメ撮りを諦めることにしたのだ。
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こんばんは、カスミちゃん。
連絡ありがとう!! もの凄く嬉しいです!!
ちょうど渋谷で仕事が終わったところだったんだ。
今から新宿に向かうから10分後なら待ち合わせできますよ。
もちろん待ち合わせ時間はカスミちゃんの都合に合わせるので、何時でも大丈夫です!
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こうしてすんなりと約束が成立した。
渋谷から新宿に向かい、待ち合わせ場所に到着。既にカスミちゃんが待っていた。
「お待たせ! 久しぶりだね」
「こ、こちらこそ、急に誘っちゃってごめんなさい」
「謝ることなんてないよ。ほら、見て、俺の顔」
「え?」
「凄く嬉しそうな顔してるでしょ?」
「は、はい。ニコニコしてますね」
「うん。こうやってカスミちゃんのほうから誘ってもらえて滅茶苦茶嬉しいんだ」
「ほ、本当ですかぁ?」
「嘘なんてつかないよ。この嬉しそうな顔が何よりもの証拠だよ」
「でも、ショーイチさん、あれから全然連絡くれなかったじゃないですか」
「それはね、理由があるんだ。俺が会いたい会いたいって何度もメールしたら迷惑でしょ?」
「そ、そんなことないですよぉ」
「俺って、昔から好きなコには強気になれないんだ。嫌われたくないっていう気持ちが強すぎるんだよ」
「フフフ、相変わらず口が上手いですね」
「ん? 俺、いま何か変なこと言ったかな?」
「い、いいえ。なんでもないです」
実はこの会話の流れも計算済みだ。
さりげなく“好きなコ”だと言い、相手の反応を探っていたのである。
彼女の表情を見る限りまんざらでもなさそうだ。
2回目のデートなのでカスミちゃんの人柄はある程度把握していたが、この調子なら今日も楽しめそうだ。