「誤解しないでね。怒ってないのは分かってもらえるよね?」
「は、はい」
「じゃあ、昨日返事をくれなかったのはどうしてなのか教えてほしいな」
「は、はい。実はあの書き込みをした途端、たくさんの男の人からメールが来て、怖くなっちゃったんです」
「そんなにたくさん来たんだ?」
「はい。すぐに10通近く来て、なんか怖くなっちゃったんです」
「なるほどね。いきなりだとビックリしちゃうよね」
「ああいうサイトではそれが普通なんですか?」
「うーん、どうだろう。でも、あの書き込み方は男心をくすぐってたからじゃないかな?」
「お、男心ですか?」
「うん。モモカちゃんみたいに若いコが、“エッチは嫌いじゃない”なんて書いてたら、男はメロメロになっちゃうからね」
「え? それだけの事でですか?」
「うん! 俺みたいにスケベな男は、そういうのに弱いんだよ。でも、そんなたくさんのメール貰ったのに、会おうとは思わなかったの?」
「はい。本当にビックリしちゃって、誰にもお返事出せなかったんです」
「そうだったんだぁ。そんな中から俺に返事くれたのはどうしてなの?」
「一番優しそうだったからです。それに写メを送るって書いてたじゃないですか?」
「うん」
「なんかそれが安心できそうで、この人になら連絡してもいいかなって思ったんです」
「なるほどね」
「でも、たくさんの男性を無視したままでいいのかなって不安なんです」
「それは大丈夫! 安心して。それくらいで怒る男の人なんていないよ。それがああいうサイトでは当たり前なんだから」
「そ、そうなんですか?」
「だから、わざわざ断りの連絡なんてしちゃ駄目だよ。かえってややこしくなるだけだからさ」
「はい。安心しました」
なかなか珍しいタイプの女性だ。出会える系サイト初心者のモモカちゃんなので、本当に不安に思っていたのだろう。
彼女の不安を取り除いてあげたおかげで、ふたりの距離がぐっと縮まったような感じだ。
「モモカちゃんは、具体的にどんなエッチが好きなのかな?」
「え?」
「ほら、さっき約束したでしょ? 今日はお互い正直になるって。だから、恥ずかしがらずに教えてよ」
「そ、そうでしたね。え、えっと、たくさん舐められるのが好きです」
「それってオマンコのこと?」
「は、はい」
「性感帯はクリトリスなのかな?」
「そ、そうです。優しく舐められたいです」
「うん。正直に教えてくれてありがとう。じゃあ、たくさんペロペロしちゃうね」
「はい♪」
「そういえば、モモカちゃんはイッたことあるの?」
「はい。あります」
「それってクンニでってこと?」
「そうですね。指やおチンチンの挿入でイッたことはないんです」
「あぁ、外ではイケるけど、中ではイケないってことだね」
「そ、それって変なことですか?」
「ううん。それが普通だよ。それにモモカちゃんは10代なんだから、中イキを知らないのが当然だと思うよ」
「そ、そうなんですか?」
「中でイケる女性って本当に少ないってよく聞くよ。40代になって初めて中イキできたってケースも多いらしいから」
「へぇ、物知りなんですね」
「最初から言ってるでしょ? 俺はエロいって」
「フフ、そうでしたね。それじゃあ今日は色々教えてほしいです」
「うん! ああ、ますます楽しくなってきたよ」
「はい。私もです♪」
この頃には彼女のキツネ顔にもだいぶ慣れてきていた。
真正面から正視するのはちょっとキツいが、視界に入っても嫌悪感を覚えることがなくなっていた。
同時にある思いが湧いてきた。