おっ! なかなかエロそうなコじゃん!!
その写真は、全裸でM字開脚した状態のものだった。手で股間を隠していたものの、男心を鷲掴みにするインパクトがあったのだ。
募集分にあった“エッチは好きなほう”という言葉を信じても大丈夫だろう。そう判断して、アタックすることを決意したのだった。
———————–
初めまして、リナさん。
都内の会社員、ショーイチ・39歳です。
先ほど、リナさんの書き込みを見ました。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、リナさんと楽しい時間を過ごしたいです。
18時以降はずっとヒマしてるので、待ち合わせは何時になっても大丈夫です。
あ!
お返事をもらえたら私の写メを送りますね。
それを見てもらってからで構わないので、検討してもらえたら嬉しいです。
———————–
こんなファーストメールを送信したところ、ものの数分で返信があった。
そこから数回ほどのメール交換を行い、あっさりと約束が成立したのだった。
待ち合わせ場所は新宿アルタ前。約束の10分前に到着すると、しばらくしてリナちゃんからメールが届いた。
———————–
ごめんなさい。
少し遅れそうです。
待ち合わせは7時10分くらいでいいですか?
———————–
遅刻の連絡だ。まぁ10分くらいなら余裕で許せる範囲だろう。それに、わざわざ連絡してきたところに、誠意を感じた。
こういう時こそ、大人の対応をするのが正解だ。
———————–
はぁい。それくらいなら全然大丈夫ですよ。
近くの本屋で時間を潰しているので、慌てずに来てくださいね。
———————–
遅刻の連絡を貰った際、筆者は“慌てずに来てください”と返すようにしている。相手の女性が必要以上に負い目を感じないよう、気を使っている形だ。
小さいことに思えるかもしれないが、意外とこれが重要だったりする。
もし、連絡した時間より更に遅れてしまうことになったら、女性は再び謝罪するのを面倒に感じてドタキャンするかもしれない。
また、こちらが冷たい態度をとった場合、“怒られちゃうかも”と女性が及び腰になってそのまま音信不通になることだって考えられる。
こうした事態を避けるため、徹底して優しい男を演じるのが正解なのだ。
その後、実際には10数分ほど遅刻する形でリナちゃんが現れた。
むむっ!? なんか様子がおかしいぞ。
彼女の見た目は、スレンダーな小柄体型。顔は、大食いタレントのもえのあずきをさらに地味にした感じだった。確かにこれなら“清楚系”と言われることもあるだろう。
だが、その挙動がおかしかった。アゴをぐっと引いてうつむき加減になり、キョロキョロと高速で首を動かしていたのだ。
肉食獣に囲まれた草食系の小動物のようにも見える。挙動不審な感じが際立っていて、それが周囲の視線を集めてしまっていた。
とりあえず話しかけてみるしかない。窮地の彼女を救うようなノリで近づいていく。