ち、ちっちゃ!!
身長は150センチあるかどうかといった感じだった。写真ではわからなかったのでこれには驚かされてしまった。
体型は中肉中背といったところで、可愛い顔とのバランスも良かった。
も、持って帰りたい!!
思わず彼女をポケットにでも入れてテイクアウトしたくなった。身長が低いので、ますます“ゆうゆ”とダブって見えてしまう。
驚かさないようゆっくりと近づく。途中で目が合うと、ニコっと微笑むR子ちゃん。
「は、初めましてR子ちゃん。ショーイチだよ」
「は、初めまして、R子です」
「お互い写真を交換してたから、初めましてって言うのも変だね」
「そ、そうですね」
「今日はいい天気で良かったね。東京駅からここまでは迷わずに来れたのかな?」
「はい。スマホのアプリで調べながら来たので迷いませんでした」
「それは良かった。どうせなら東京駅のホームまで迎えに行ったほうが良かったかなって思ってたんだ」
「フフフ、子供じゃないですから大丈夫ですよぉ」
「そ、それもそうだね」
ニコニコと笑いながらこちらの目を見つめてしゃべるR子ちゃん。
その強い視線に耐えられなくなり、少しばかりおどけてみせることにした。
「そ、そんなにじろじろ見られると恥ずかしいよぉ」
「ご、ごめんなさい。予想以上に優しそうだなぁって思ってたんです」
「うん。R子ちゃんの前ではいつも256倍は優しくなれると思うよ」
「え? ど、どうしてですか?」
「え? そんなの分かってるでしょ? メッセージでも伝えた通り、R子ちゃんが可愛いからだよ」
「そ、そんなぁ」
可愛いと言われ、うつむくR子ちゃん。背が低いので、軽くあごを引かれただけで表情が見えなくなってしまう。
「ここで話すのもアレだから、少し歩きながら話そうか?」
「はい」
「あ! その前に聞いておくけど、本当に俺みたいなので大丈夫?」
「もちろんです! 今日はよろしくお願いします」
「ありがとう。こんなに嬉しいのは初めてだよ。本当にありがとう」
「お。大げさですよぉ」
「少しオーバーだったかな。でもここ数年で今が一番幸せなんだ」
「は、恥ずかしいです。トコショーさんこそそんなにじっくり見ないでください」
「ご、ごめん。どうしても目が吸い寄せられちゃうんだ。本当に可愛いよ」
「ほ、褒め過ぎですよぉ」
「褒めてなんかいないって。俺が正直なのは知ってるでしょ」
「で、でもぉ」
「ま、とりあえず向かおうか?」
「は、はい」
無難な世間話をしながら10分ほど歩き、目的のラブホに到着。
部屋に入りふたりきりとなり、少しばかり突っ込んだ質問をしてみることにした。