「ユウナちゃんのお仕事はアパレル系なんだよね」
「あ、はい。そうです」
「それじゃあ、休みも不規則で大変なんじゃない?」
「はい。土日に休めるのは月に1、2回くらいですね」
「うわぁぁ、それは大変だね。その貴重な休みの時は何をしてるの?」
「もうダメダメです。朝からずっとパジャマのままで家から出ずに引きこもってます」
「分かるなぁ。普段の仕事が大変だから、休日はダラダラと過ごしちゃうよね」
「え? 分かるんですか?」
「俺も昔販売の仕事をしてたことがあるんだ。休みの日は誰とも口をききたくないから、俺も引きこもってたよ」
「ですよね? 髪の毛ぼさぼさのままでスナック菓子を食べたり、ずっとゲームしたりしてるんです」
「ホント? 俺もだよ。ポテチとかアイスとか買い込んでおいて、文字通り家から一歩も出なかったりするよね?」
「同じですぅ! 分かってもらえて嬉しいです♪」
思わぬ形で意気投合してしまった。
もっとも、彼女の思考を先読みして、こうなるように導こうとした作戦が成功しただけなのだが…。
ベッドインする前から愛撫は始まっている。
筆者が姑息な手段を使ってまで“意気投合”したように演出するのは愛撫の一環なのだ。
その後、目的地のラブホテルに到着。チェックインを済ませ、部屋でふたりきりとなる。
久しぶりに奮発して普段は使わない高級ラブホを選んでいた。その部屋の広さと綺麗さに驚くユウナちゃん。
ここまで来たら、逃げられることはない。さらに突っ込んだ質問をしてみる。
「でも、どうして今日連絡くれたの?」
「い、色々あって、気持ちを変えたかったんです」
「そうなんだぁ」
全く的を得ない返答だった。しかし、女性の言う“色々あって”という言葉は、これ以上詮索しないでくれと言ってるようなものだ。
理由を聞くのをあっさり諦める。そして、話の流れをエッチな方向に変えることにした。
「さっきも言ったけど、今日はユウナちゃんに奉仕したいんだ」
「は、はい」
「だから、ユウナちゃんがどんなエッチをしたいのか教えてくれるかな?」
「そ、そうですね…」
筆者からの視線を避けるようにうつむき、何かを思案し始めるユウナちゃん。
聞き方がストレート過ぎたか? 後悔しだしたところで、ユウナちゃんが顔をあげた。
「こ、恋人みたいにラブラブな感じがいいです」
オデブちゃんや不細工ちゃんに言われるとゾっとするが、彼女なら大歓迎だ。
「それじゃあ10年間片思いしていて、ようやく思いが叶ってエッチするつもりでいくね」
間髪入れずにそう答えると、ユウナちゃんの表情がパァっと明るくなった。
どうやら筆者の返答がお気に召したようだ。
「それじゃあ、私もそうしますね」
100点満点の回答を得ることができ、筆者は有頂天モードに突入。
こうなったらこの勢いに乗るだけだ。